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2-63にしおりをはさみました!
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2-63
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頼ってほしいと思ったけど。
深山は蒔田にはそれを望んでないのは明白で。弱味を見せたくない、というのとは違う頑なさ。ただ単に信用されてないのとは違う。対等でありたいという思いからくるものだとしたら。
「俺のこと。顔とか外見で評価しないやつ、お前が初めてだから」
言うヤツによっては、とんだ勘違い発言だけど。深山が言うと、それほど違和感を感じない。あれだけ大勢のファンやらなんやらに囲まれてたら、そうなのかもしれない。
「だからマキ」
頼むから、そう深山が続けようとしたとき。
蒔田の視線の視界に、見知った人影が現れた。
トイレの出入り口とエレベーターホールはちょうど一直線上にある。ヤバい、と思ったときには、相手も蒔田のことに気づいた後で。
「たっちゃん、こんなとこにいたんだー?」
千佳のノー天気な声が近づいてくる。トイレからなかなか帰ってこないから探したよー。なんて言いながら。まじで長いトイレだったらどうする気だったんだと聞きたいけど、そんな場合じゃない。
「や、千佳。電話だし、ちょっとあっち行けって」
蒔田が慌てて手を振って、しっしっと追いやろうとするけど(失礼すぎるから千佳や姉たちくらいにしかしない)、もちろんそんなことで引いてくれる千佳ではない。
「ミヤさん、後でかけ直すんで、すみません」
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