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「…悪い。邪魔したな」
「いや、あのっ」
蒔田が弁明する暇もなく、深山は通話を終わらせた。さっき深山が何をいいかけたのか、ちゃんとたずねないうちに。
それに。絶対に、誤解された。
千佳の声が聞こえたらしく、だから「邪魔」なんていう表現なんだろう。野球部でカラオケだって、千佳はマネージャーなんだって、いい損ねたことを後悔する。
誤解をされて困るような関係ではないけど、なぜか、今の状況を言い訳したい。蒔田はそう思う自分に疑問を感じながら、ため息をついてスマホをポケットにしまった。
「邪魔しちゃったかな?」
これは、千佳の言葉。
---その通り。そう言いたいけれどそうもいかない。余計な詮索をされたくなかった。
「別に」
「たっちゃん冷たーい」
上目遣いにこちらを見る目はやっぱり興味津々で。取り繕う気もなくなって、思わず固い声がでる。
「俺にそういうの必要ないだろ。行くぞ」
「つまんないなー」
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