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2-67にしおりをはさみました!
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2-67
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「電話も、メールも、面倒くさがるし」
私の時もそうだったよね、たっちゃんは。来るもの拒まず去るもの追わずって感じでさ。
千佳本人に、こんなふうに嫌味を込めて言われると、蒔田からはもう、なにも言い返せない。
高校の頃に通った道を、形だけとはいえ付き合っていた二人で歩くのに。昔を懐かしむような優しい甘酸っぱい雰囲気なんかはなくて。蒔田が一方的に怒られる有り様だ。
千佳の家が遠くに見え始めた頃。お説教モードからようやくいつもの調子に切り替わる。
「だけど。さっきのたっちゃんはそんなんじゃなくて。電話は嬉しそうな顔してたし、カラオケの間もずっとケータイばっかり気にしてたじゃない」
千佳から放たれた言葉に蒔田はぎょっとする。あの、カラオケでの女々しい行動を見られてたのかと思うと。穴があったら入りたい。
「だからね、大事だと思ったら」
ちゃんと大事に思ってるって、行動でも言葉でも、示してあげるのが大切なんだよ!数少ないたっちゃんの元カノからのアドバイスだよ。
そう言い残して、千佳は門扉の向こうに帰っていった。送ってくれてありがとう、と微笑むのを忘れずに。
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