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現状 3にしおりをはさみました!
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現状 3
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俺は人間ではない。
元は海の中に住んでいた人魚というものだ。
それが捕まって今はここに閉じこめられている。
殺されなかっただけ良かったのかもしれないが。
生きているときの鱗には何の価値もないが、死んだ人魚の鱗には若返りの力が秘められている。
人間が飲むと一歳ほど若返る事ができるらしい。
ほんの一歳程だが、多く飲めばその効果も馬鹿にできない。
そのため人魚は昔から人間に捕獲され殺されてきた。
何故殺されなかったのかは、俺が男という事と、容姿が整っていた事が理由だ。
男の人魚というのは珍しく、特に美しい姿形をしているため人間の鑑賞用として人気があった。
捕まえては、金持ちの貴族などに売っていくのだ。
俺も捕まってしまった一人だ。
海を泳いでいたところ罠にかかり捕まってしまった。
安全な場所だと思っていたが、人間達は思った以上に捕獲の範囲を広げていたらしい。
油断していた。
暴れる俺に手を焼いたのか、銃で打たれた。
そして、気がついたときにはこの馬鹿でかい水槽の中にいた。
どうやら眠っていたらしい。
あれは麻酔銃だったのだろう。
くらくらする頭で辺りを見回すと、薄暗い部屋には俺が入れられている5メートル近く高さのある水槽。
水槽には三分の一程水が入っている。
その前にはテーブルと椅子があった。
殺風景な部屋だ。
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