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壊レタココロ.2*にしおりをはさみました!
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壊レタココロ.2*
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桜side
『ねぇ…俺。……どうしてこうなたんだと思う?』
ーーー…わからない。
『分かっているよ』
ーーー…。
ーーーー……おれがいきているから。
『そう……父さんがいつも言っていたじゃないか。
“産まれて来なければ良かったのに”って』
『そうすれば志藤 那雪とも出会わない…恋に落ちる事もない。寂しさを知る事もない。
赤蜘蛛が那雪の命を狙って、父さんを動かそうとした事も。
俺が、身を削ってまで汚れる事も』
『逃げて…皆が危険な目にあう事もない…全部、俺のせい』
ーーー…じゃあなんで、おれ…いきているの…?
これいじょう…みんなを…きけんなめに…あわせたく…ない…のに……
……もう…いやだよ…
おねが、い…だれか…おれをころして…
「…ッぁ…ひ、ぅ…もう…嫌……殺して…殺して…ぁッ…ぁ…ひ、ぅ…」
震える腕を伸ばして蔵根さんの服を掴む。
死んで…楽になりたかった。
「はは…やっと壊れたか…!!
安心しろよ…ちゃんと俺が殺してやるからさ。
あの世でアネモネに伝えろよ?
お前が守りたかったものを、全部壊してやるってなぁーーー…!!」
懐から取り出したナイフが、スローモーションのように目の前に迫っていく。
最後に聞こえたアネモネという名前が誰なのかも、
遠くで皆の声が響くのも、
もう、何もかもどうでもよくてーーー…
だけど
ただ一つ、凛とした優しい、暖かな声だけがハッキリと聞こえたその瞬間、
涙が一粒流れ落ちる。
「待っていろよ、桜……今、助けるから」
直後の銃声。
俺に向かって振り落とされたナイフは宙を舞い、
蔵根はうめき声を上げて、手の甲から血を流しながら、
入口にいる人物を睨み付けた。
黒髪を靡かせて、拳銃を片手に立つ人物を…
「桜…」
優しく俺の名前を呼ぶ、この世で一番愛おしい人の名前を、俺は呼んだ。
「……ッ…那、雪…?」
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