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伝えたいコトバ⑤ 桜sideにしおりをはさみました!
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伝えたいコトバ⑤ 桜side
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ー何処に行くんだ?ー
と、ペンを走らせ、那雪に見せる。
出かけるとだけしか言わない那雪に多少の不安を抱きながらも、
手配された車に向かう。
「笠木、芝澤」
俺の乗った車椅子を引きながら、
那雪は車の側に立つ二人の男の名前を呼ぶ。
一人は少し小柄な、ヤクザにしては可愛らしい外見のオレンジに近い茶髪の青年。
一人は那雪と同じ、メガネを掛けた端正な外見の艶のある黒髪の青年。
「天宮 桜君だよな?若がいつもお世話になってる。
俺は笠木 鳴海だ、よろしくな」
「俺は芝澤。芝澤憲剛だ…天宮君。先の一件…若を守ってくれてありがとう。
そしてすまない…君に全てを背負わせてしまった」
全て…と言った芝澤の言葉に、
那雪を守ろうと身体を売っていた事実を知っているんだなって思った。
思わず身体が強張る。
ー全部、知っているんですか…?ー
芝澤は一言あぁと返事をして、俺の頭を優しく撫でた。
頑張ったな、と撫でながら言われ…涙が出そうになったが、何とか堪えた。
それから車に乗り込み、俺は行き先の知らない場所へ向かった。
*****
「ここだよ」
そう那雪が呟き、俺は窓の側を見つめる。
「……ッ…!」
そこには、馬鹿デカイ門がそびえ立っていた。
そして門の周りには、塀を埋め尽くす程の大量の厳つい顔をしたヤクザ達。
「俺の家…っーか、狼月会の家みたいなもん」
そう言って那雪は少し困り顔で笑った。
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