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伝えたいコトバ⑥ 桜side
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慣れない人だらけの所にいるからだろうか…少し気分が悪くなる。
ー那雪…ちょっと気持ち悪い…ー
だだっ広い屋敷を進みながら那雪に伝えると、
少し待っていてくれと言われ、母屋だというこれまた馬鹿デカイ部屋に案内された。
「…桜、大丈夫か…?」
ー大丈夫…少し気持ち悪いだけだからー
額に汗を浮かせながらペンを走らせる。
笠木と芝澤が部下に指示を出して水を貰う。ペコリ…と軽く頭を下げて微笑むと、
部下の男は何故か顔を赤らめ席をたった。
「…桜、その顔…余り周りには見せんなよ?」
ぽん、ぽん…と頭を撫でながら那雪は何故か注意してきた。
よく分からなかったが、コクリ…と頷く。
少し寝て良いと言われて俺は那雪の心地良い体温を感じながら眠りに落ちた。
*****
髪を撫でられている感覚がする。
那雪…と、声にならない声を出して、両手を差し出す。
首に寝惚けながら抱きつき、グリグリと頭を押し付け匂いを嗅いで、
……?と違和感に気付き、眼を明けた。
「ーーー…ッ…!?」
「はろ♪……って訳で、腕…離してくれる?」
目の前に居たのは、那雪ではなく…どこか那雪に似た、赤髪の青年だった。
目の下の泣きホクロが何だか色気を放っていて、
俺が思わず見惚れていると、いきなり襖が空いて那雪が血相を変えて飛び出してきた。
「緋龍ッ…!!テメェ何してるんだッ…!!」
俺から緋龍、と呼ばれた青年を引き剥がして(正確には、俺がしがみついていたのだが)
猫のように威嚇している。
「何してるって……んぅ~…いちゃラブ?」
「なッ…!?」
緋龍はイタズラッ子のような笑みを浮かべ、爆弾発言をした後、
もちろん嘘だけど、と笑いながら席を外して帰っていく。
「じゃ、また後でね。桜チャン?」
何で名前を知っているんだとか、下の名前で呼ぶなとか…
俺と那雪が言いたい事は沢山あったが、嵐のように緋龍は帰っていった。
「………さぁ~くらぁ…?」
「…ッ……!」
ヤバイ、と衝動的に分かった。
後ろに下がろうとするが、那雪はそれを許さずに俺を抱き締めた。
「お・し・お・き♪」
口調は笑っていたが、目は笑っていない。
那雪は、強引に俺の唇を奪い、口内を犯していく。
「…ッ……ぁ…ッ…!」
足が立たないほどの甘いキスをして、那雪はにっかりと笑い、
「続きは桜がちゃんと回復してからな…?」
耳許で低く囁いた。
「さて、と…連れていきたい場所があるんだ。行こう、桜」
手を引かれ、抱き締められながら立ち上がり…
俺達は…夕日の中、その場所へ向かった。
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