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その執事、講習にしおりをはさみました!
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その執事、講習
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エイプリルフールに書いたお話です。
「おはようございます。坊っちゃん、お目覚めの時間ですよ。」
黒い執事がゆっくりカーテンを開けると、主は眩しそうに目を細めた。
「・・・ん、もう朝か・・・。」
ふあぁ・・・と大きなあくびをして起き上がったシエルにセバスチャンが新聞を渡す。
「この香り・・・今日はアッサムか。」
「さすが坊っちゃん。ミルクとレモンはいかが致しますか?」
「レモンティーがいい。」
シエルに紅茶とクロテッドクリームたっぷりのスコーンを渡して、セバスチャンは今日の予定を告げた。
「今日はまず、帝王学をお勉強して頂きます。その後は本当はお仕事をして頂こうと思っていたのですが・・・お昼前にエリザベス様がいらっしゃるので、あまりお時間はないかもしれません。」
「リジーが・・・?何の用だ?」
「それが・・・『着いてからのお楽しみよっ♪』と仰るのでそれ以上は・・・って、坊っちゃん。お寒いのですか?」
ふと見ると、シエルがジョワッと鳥肌をたてている。
「ちがう!お前のちっとも似てないリジーのモノマネが気持ち悪かっただけだ!」
「・・・坊っちゃん、さすがの私もそこまではっきり言われると傷付きます。」
よよよ・・・と涙を拭うセバスチャン。
「貴様、泣いてなんかいないだろう。」
それをジト目で見つめるシエル。
「坊っちゃん、デレが足りませんよ、デレが。」
「デレ・・・?なぜ僕がお前にデレなきゃいけないんだ?」
「需要があるからです。私はツンツンよりツンデレが好ましいです。」
「お前の好みなんか聞いてない。」
「仕方ないですね・・・今日はエリザベス様がいらっしゃるまで、帝王学は止めにしてツンデレをお勉強致しましょうv」
「何が仕方ないんだあああぁ!」
と、いうわけでシエルの着替えが終わったにもかかわらず、2人はベッドルームにいた。
「ここでやるのか?」
「ええ、ベッドルームは萌えの宝庫ですからねvv」
シエルはつっこむのも面倒になったのでスルーすることにした。
「・・・で?なにするんだ・・・?」
「はい、台本。最初はこれに沿って台詞を読んで頂きます。」
どうぞ、とセバスチャンに台本を渡される。
「こんなもの、いつ用意したんだ・・・。」
「さ、読みますよ。」
「都合の悪い質問は無視なのか!?」
「シチュエーションその1。夜中に悪夢を見て目覚めた坊っちゃんがそのままもう一度眠ろうとするもなかなか寝付けない場合、です。実際よくありますしねw」
セバスチャンに鼻で笑われて、シエルの頬は羞恥で紅くなった。
「・・・っ/// そんなにしょっちゅうはないだろうっ//」
「では台本を。」
「・・・ん。セバスチャン、来い。」
「お呼びですか、坊っちゃん。こんな夜更けにどうしたのです?早く寝ないとお身体に障りますよ。」
「・・・ちょっとな・・・。」
「悪い夢でも見ましたか?」
「ああ、今夜は眠れそうにない。セバスチャン、命令だ。朝まで僕の・・・っ!?//」
「クス・・・坊っちゃん?ちゃんと読んで頂きませんとお話が進みませんよ?」
ほらほら、とセバスチャンが促すが、シエルは真っ赤な顔で固まったままだ。
「僕はこんなこと言わないぞっ//」
「坊っちゃんはこれからツンデレに生まれ変わるのですから、仰って頂きませんと・・・今日のおやつ、あげませんよw」
「・・・チッ。・・・朝までぼ、僕の・・・っ//僕の隣で・・・寝ろ・・・っ///」
「イエス、マイロードっvV」
ガバッ!
「あっ!セバ・・・やめ・・・っ//」
「坊っちゃんのツンデレ最強ですっ!ああ、このまま押し倒していいですかっvV?」
「押し倒しながら言うなあああぁ!!」
「・・・何もトリプルアイスクリームをくれなくたって・・・。いつもベッドの上で私を求めるときのように素直に・・・」
「それ以上言ったらもう1段オマケしてやる。」
「ああ、ツンツンに戻ってしまわれた・・・。」
「では、気をとりなおして。シチュエーションその2、普段素直になれない坊っちゃんがエイプリルフールを利用して私に想いを伝えようとなさる場合、です。」
「な・・・っ!?お前、知って・・・・?//」
「クスッ、何がです?」
「~~~っ//な、なんでもない。」
フイッ、とシエルはそっぽを向いてしまった。
(拗ねてしまいました。意地悪しすぎましたかね・・・)
「さ、坊っちゃん。やりましょうか。」
「・・・もうヤダ。」
「坊っちゃん・・・?」
「もうやめる!そもそも、なんでこんなことしなくちゃならないんだっ・・・僕はそのままのお前が・・・好き・・・なのに、お前はこのままの僕じゃ満足できないって言うのか!?」
とうとうシエルは泣き出してしまった。これはセバスチャンも予想していなかったのかタジタジだ。
「・・・坊っちゃん!私そんなつもりはなかったんです!ああ、主を泣かせてしまうなんて執事失か「嘘だ。」」
「・・・はい?」
「僕がそんなこと言うはずないだろ。台本のアレンジだ。ファントムハイヴ家当主たるもの、ツンデレぐらいできなくてどうする。無事習得したぞ、今回は僕の勝ちだなw」
「坊っちゃんひどいっ!全部嘘だったのですかっ?そのままの私を好きだと仰ったのも全部っ」
「・・・///」
「坊っちゃん?」
「・・・それは嘘じゃ・・ない・・・///」
「・・・坊っちゃんんんんvV」
ガバッ!
「セバスチャ・・・はなせっ・・・・!////」
セバスチャンがシエルをベッドに押し倒したそのとき
・・・・ダダダダダダダダダ
ガチャッ!
「「!?」」
「シーエールーっ!ちょっと早いけど会いに来ちゃっ・・・た・・・」
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