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それは叶わない夢。にしおりをはさみました!
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それは叶わない夢。
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「無理だろ...」
柳瀬がポツリと呟く。
俺の目から涙は止まらない。
草薙も泣きそうに歪んでいるのに、柳瀬だけは冷静な顔だった。
「俺にしとけ、宮下」
柳瀬の言葉に、俺と草薙は目を見開く。
俺は否定する。
「ぃやだ....」
チラリ、草薙を見る。
諦めるからなんて言ったけど、好きなものは好きだ。ずっと追いかけてきたんだから。
「俺は」
俺の視線に気付いた草薙が、苦しそうな顔をして言葉を言い放った。
「宮下に好きだって言われても嬉しくない。むしろ、今は宮下が嫌いだ」
好きな人に、嫌いと言われた。
こんなに、こんなに苦しい。
付き合うなんて出来なくても、友達で居られればそれで良かったのに。
嫌いだなんて。
俺は耐えきれなくて教室を飛び出した。
誰か。誰か、助けて。
苦しいんだ。とっても。
溺れそうなんだ。水の中のように。
叶わないなら、せめて。
好きな人の幸福を願ったのに。
「何でだよっ...」
悔しくて、堪らなかった。
それは叶わない夢。
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