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本気にしおりをはさみました!
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本気
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ベッドに入り、横になる。
後ろには兄さんがいた。ふと横を見れば緑くんが見える。
「なんで急に?」
「え?……あぁ。…いや、なんかさ、たまにはいいかな、って。」
「そっか。……あったかい」
「そう?俺体温高いもんね」
「うん…にーさんの匂い落ち着くし…」
「……そう。」
ふと、兄さんに抱きしめられる。
兄さんは顔を伏せ、表情はよく分からない。
「あの、ね、時雨、」
「んー?」
兄さんは、少し控えめに話し出す。
「俺、時雨にほんとに会えて嬉しいよ…」
「……?…おれも、にーさんにあえて嬉しいよ?」
「でもね……。会わなかったら俺、我慢しなくてよかったのかな……」
「……え?……やっぱ…辛い?一人の方が……」
「ち、ちが、そうじゃない!」
「?」
いつもの兄さんではない気がして、心配になる。
兄さんはさらに俺を抱きしめてくる。
「……すき、なんだ。」
「?…おれもにーさん大好きー」
「そうじゃない、そうじゃないんだ、……俺の好きは違うの…」
「……??」
「俺、お前のこと独り占めしたい、俺のことだけ見てて欲しい…ごめんね……」
「……そ、れって…えと……」
「よ、要するに!……俺の好きは…恋愛であって……」
……えーっと……?
で、でも俺ら兄弟だよね?…その……
「き、兄弟だよ?…あはは、きっと勘違いだよ……それにほら、俺男だよ?」
「……時雨は…恋愛に兄弟も性別も関係あると思う?」
「い、遺伝子レベル的に……?」
「……じゃあ俺は、遺伝子が違ったんだね。……だけど、好きなのは変わらないよ」
面と向かって、真剣な顔で言われるとなんとも言いようのない感覚に襲われた。
でもほんとに、その目は本気だった。
「時雨……俺…ホントはクラスのあの楝て子に笑顔で話しかけてるのも、女の子と話してるのも、もやもやしてたんだよ……でもそれは友達だもんね?…時雨はこの気持ち……受け入れてくれないよね……。」
兄さんは悲しそうにそう言った。
俺は、普通に女の子が好きだ。……けど、今は誰か、なんて言ったら、頭の中に常にいるのは兄さんで……けど、けど……
「頭の中に常にいるのは……兄さんだよ」
「……!」
「……でも、……考えさせてよ…。」
「……わかった…でも無理になんかしないで、時雨が普通の子だってのは知ってるよ……だから……」
「……けど、兄さんのことは誰よりも好き、それだけは言えるよ」
「……しぐれ……」
兄さんの目は、涙でキラキラとしていた。
月の灯りが反射してる。……綺麗だった。だけど、兄さんの泣き顔なんて初めて見た。……あの時だって、顔はよく見えなくて、……一年も一緒に居て…な気顔を見たのはこれが初めて。
……すごくあつい。…これは、夏だからなのか、それとも…俺の体が、火照ってるからなのか。
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