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従兄弟とクッキーにしおりをはさみました!
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従兄弟とクッキー
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休み時間、大泉くんと仁と三月と話をしていたら、従兄弟で小さい頃からずっと一緒にいる長瀬京子に呼び出された。
京子に駆け寄り、廊下で話をする。
「どうしたの、京子」
「うん……ちょっと、頼まれて。瞬をここに連れてきてって」
京子はそう呟き、隣のクラスのドアからこちらをこっそりと覗いている女の子に目を向けて出てくるよう促す。
あ、この子見たことある。
学校でも、すごくかわいいって噂されてる子だ。
そんな子が、俺に何の用?
女の子は俺の前まできて、恥ずかしそうに俺の目を見上げてくる。
「わ、私、あの……隣のクラスの多宮蓮華といいます」
「あ、俺は、氷室瞬です」
「あ、はい、知ってます」
「あ、うん、そうですよね」
って俺、何言ってるんだ。
ここで人見知り発動してどうする。
そう思っていたら、多宮さんにくすりと笑われた。
「?」
「あ、ご、ごめんなさい。やっぱり面白い人だと思って…」
「え、俺が…?」
多宮さんはニコッと笑い、はっと思い出したように持っていた紙袋から可愛くラッピングされたものを取り出した。
「あの、これ……クッキーです。お口に合うかどうか分からないですが、是非食べて下さい」
「え、俺にくれるの?」
「は、はい」
「で、でも…」
「いーから、もらっときなよ」
遠慮していると、京子にそう言われて、何だか申し訳ない気持ちで受け取る。
俺なんかにくれるなんて、珍しい。
「ありがとう、多宮さん」
「い、いえ!」
多宮さんはかわいい笑顔を向けてくれて、不覚にもドキッとしてしまった。
それからちょっとした話をして、お互いの教室に戻った。
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