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リリ、人間界に行くにしおりをはさみました!
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リリ、人間界に行く
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立派な悪魔に成るには、人間界での修行が必要です。
そう悪魔界では云われている。
修行というのは、人間を悪に落とす事。
簡単そうだが、意外と難しいこの修行。なぜかというと、人間を悪に落とす前に悪魔が人間に惚れてしまい、落とす側が落とされる側になるそうだ。
人間に惚れてしまうと、悪魔は死んでしまうらしい…。
そんな話を絶賛悪魔修行中のリリは、僕はそんな事なんかならないもんね!聞き流していた。
リリは悪魔界でも、有名な男の娘だ。そこいらの女の子より可愛いとみんな口を揃えていう。
悪魔界で、リリを知らない人はいない。
淫魔より魅力的で、男たちはみんな魅了されていた。
「リリ、本当に、人間界行くの?」
そう訊いてきたのは、幼なじみのループ。
ブロンドのショートヘアをふわふわさせて、大きなブルーの瞳を潤ませてリリを見つめる。
「だって、悪魔になりたいもん!ループもなりたいでしょ?」
口を尖らせ、ループを抱きしめるリリ。ループはいつもいい匂いがする。
リリはギュッと抱きしめ、ループの唇を塞いだ。
ループは可愛い。リリが、唯一認めている可愛い子だ。もちろん、男の子だが。
「さみしいよ。リリが居なくなるの…」
ループの目には涙が溢れていた。
「大丈夫だよ!すぐ帰ってくるから!」
ね?と、いいながらまたループにキスをした。
「リリ…絶対だよ?」
そういうループの頭を撫でて、リリは笑った。
「ループも、僕の次に行くんだから。先に人間界を見ておくよ。ね?だから、心配しないで?」
リリは、そういいながら人間界に行くための魔法陣を地面に描いた。
「よし、これで大丈夫。」
「リリ、絶対変な人に捕まっちゃだめだよ!!」
「大丈夫だって!!」
リリはループに大きく手を振ると、魔法陣の中に入り、呪文を唱える。
魔法陣が赤く光りだすと、リリの身体はキラキラと輝きだした。
全身が輝いてくると、足先からリリの身体が透けていく。
(すごく、楽しみだ…)
そう思った瞬間、ゴオォオッという音とともに、リリの身体は魔法陣の中に吸い込まれていった。
それを見ていたループは、また目を潤ませながら、リリの消えた魔法陣の上に立つ。
ごしごしと目を拭い、リリの書いた魔法陣を足で消していった。
「リリ…。戻って来れるかな?」
そう言ったループは先ほどの顔とは違った顔つきで、うすく唇に笑みを含んでいた。
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