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18歳以上ですか?
仮装にしおりをはさみました!
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仮装
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そして昼休憩を入れた後、いよいよ仮装競争の時間がやって来た。
仮装競争は各クラス4人ずつ決められた選手が出場する。
競技内容は大体にして障害物競争と同じだ。
然し、格好にもよるが大衆の面前に己の羞恥を晒し、それに耐え得るかどうか、と言うのが大きく勝敗に関わってくるらしい。
「なんでこれ、学年対戦競技じゃねぇんだろうな…」
一年もこの競技があればかなり俺得なのに。
「未だ純粋無垢な一年にこんなんやらせるわけにはいかへんのちゃう?」
純粋無垢…か?今年の一年は…
俺の脳裏に過った島崎浩斗と言う人間は、少なくともそこにはカテゴライズされないのではないかと心配してしまった。
「なんか顔面蒼白だよ忍クン。大丈夫〜?」
「俺、今ほど消えたいと思うの久しぶりだわ」
余りにそれを忍が真顔で言うので、もう抵抗することを諦めているのが分かる。
「まぁこうなったら楽しもうよしのちゃん?ホラ、どんなのが当たるかわからないし?」
「お前、あの理事長だぞ?しかも走る順番が予め知らされている状態で普通なのが出てくると思うか?」
「お、思いません…」
【それでは皆様いよいよ待望の仮装競争の時間となりました!!!選手の皆様のご入場です!!】
なんだその放送。
ご入場って。
「まぁ、確かにいやな予感しかせんなぁ…なんで俺競技選択の日あんなにノリノリやったんかホンマにわからんわ」
徐々に俯く貴澄の肩に腕が回る。
「大丈夫だよ!貴澄ちゃん。何を着たって絶対可愛いって〜」
「お前本当俺のこと好きやなぁ…ほんま鬱陶しいわ…」
「うわひどーい」
「俺は後ろで皆の痴態…改め健闘を拝んでる。」
「何をキメ顔で言ってんだよ裕哉…」
【それでは皆様のご入場が終了した所で、早速競技開始と参りましょう!!】
そしてお決まりのスターターピストルが鳴り響いた。
第一走者目が、勢いよく走り出す。
第一走者目にはリュウが出場しておりこ大人気なく最初のダッシュはリュウの独壇場だった。
20メートル程走り終えた所で、それぞれのコースの先に置かれた紙を開いてゆく。
各々の反応はバラバラでそれぞれ一喜一憂している。
リュウは一度固まった後、我に返ったように
各コースに設置された簡易更衣室へ入っていった。
暫くして出てきたリュウが身につけていたのは、超ミニスカートのポリスウーマンの格好だ。
短いスカートから見える長い足に網タイツがよく映えている。
ただ、羞恥を通り越して今にも泣きそうな悲壮感が顔に滲み出ている。
「俺、今年27なのに…何してるんだろう、俺…」
それでも流石は探偵、身のこなしは抜群で他の追随を許さないまま、ぶっちぎりで一位だった。
ただ、帰ってきたリュウは
「なんか…俺無の境地に入ったわ」
ひたすらに現実逃避をしていた。
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