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18歳以上ですか?
19にしおりをはさみました!
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19
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「え、ちょ……なんで、入ってくる……」
這うように端まで素早く逃げて、ぐっしょり濡れた何枚かのバスタオルで身体を隠す。
それでも、恥じることを知らない帝は全裸で堂々と入ってきて、大きな溜め息をついた。
「なんでって、普通に考えてさー、さっきまで気い失ってた奴、ほっとけるかよ。なのに馬鹿じゃねーの、みっちゃん」
期待させといて結局これかよ、と苛立った様子でブツブツ言いながら、帝はシャワーのノズルを引っ張って湯を浴び始めた。
余分な脂肪がなく、引き締まった身体に湯が流れ、まさしく水の滴るいい男。
馨が視線のやり場に困り、目を泳がせたのは言うまでもなかった。
「……それは、僕が嫌って言ったからで……わっ!」
言い過ぎたんだ。言い過ぎて、三津田を傷つけてしまったのだ。
馨は、そう思い、バスタオルをギュッと抱き締めて肩を落とすと、帝が湯をかけてきた。そして、視線を上げれば、キリッとした真っ直ぐな視線に射抜かれる。
近くまで寄せられた顔の眉間には、皺が出来ていて。あたる息遣いが、馨の鼓動を早くさせる。
「なあ、馨。そこは、みっちゃんが力ずくで押し通すとこだろーが。ほら、こっち来て」
「! 待って、待って……いや、自分でっ」
苛立ちを隠しきれないのか、腰へ強引に
据えられた帝の腕に馨は驚いて、ビクリと大袈裟に身体を跳ねさせる。強く抱き締めていたはずのバスタオルも落としてしまい、手繰り寄せていると、気に食わない顔をした帝に奪われてしまった。
「はい、駄目。つーか、なんで隠してんの。ここ風呂だし、さっきセックスした仲じゃん」
「セ……!?」
撮影とはいえ、確かに身体を重ねたという事実が頭の中に蘇り、馨の頬がカッと熱くなる。
それを見て、ニタァと面白いものを見るように笑う帝。
さらに、馨の頬の赤みが増す。
「……っ、そうだけど! だから、いいよ! 自分でするからタオル返して……っ」
もうムキになり、奪われたバスタオルを取り返そうとしたその時、視界がぐらりと揺れた。
「おっと、危ねえな。ほら、ふらついてる。今日ぐらい任せとけって。俺出てったら逆上せても、誰も助けてくれねーよ?」
「う……」
「な? わかったか?」
未だに視界が揺れる中、反論など出来なかった。
馨は、自重を帝に預けてコクンと頷く。
「頷いたな? じゃあ、やーやー言うなよ?」
「は……? ええ、う……ぁん! いき、なり……!」
孔の奥までグッと押し込まれた指に、生理的な涙が出た。
「ん、やだ、やだ……あっ!」
「何、感じた?」
積極的で強引な指から逃れようと、腰を捩るが逆に感じる場所に当たってしまい、ふっと帝に笑われる羽目になってしまった。
それより、後処理というよりは、ぐにぐに弄られているような指の動きが気になって仕方がない。吐息を漏らせば、帝はクツクツ笑って、馨の反応を面白がってるに違いないだろう。
「帝!」
潤った瞳で、帝を睨みつける。すると、ふざけているかと思っていたのに、帝は真剣な顔をしていて、馨の心臓が大きく脈打った。
「身体、大丈夫か? 痛いとこは?」
「え? う、うん……大丈夫」
「そう……目、赤くなってるから後で冷やしたほうがいいな」
「ん……」
ずるい。
トクリ、トクリ、鼓動が早鐘を打って、頬が熱くなって、何か溢れ出しそう。
好き。帝、好き。
優しくなった指先に馨は安心して、帝の胸板に顔を埋め、瞼を閉じた。
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