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18歳以上ですか?
-24-にしおりをはさみました!
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-24-
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「あ、生きてたんだ」
「ああ。但し、お前は死ね」
「嫌だよ。30までは生きたい」
結構、ハードル低くないかそれ。いや、間宮みたいな脳みそと下半身が直結してるような奴は人類の脅威だから今死んで貰おう。……と、駄目だな。間宮と話すと、どうしてもそっちの方面に考えがいってしまう。
「おい間宮この野郎」
「なぁに? あ、それよりさ結局昨日帰ってこなかったじゃん。何してたの? 俺、ちょーヒマだったんだけど」
「俺はちょー大変だったよ。お前のせいでな!」
「え、俺のせい?」
きょとんとした顔をする間宮。あーまじで殴り倒したい。なんで当の本人が事情を一切知らないで、ほぼほぼ関係ない俺が巻き込まれてんの?
「いい加減にしとけよ。自分で管理が出来ねぇなら、手当たり次第ってのやめろ。周りが迷惑だ」
「じゃあ、エマが俺を引き取ってくれるって言うなら止めてあげてもいいよ」
「お前のそういう所が! 」
「おい」
「あ、まこ」
バッドタイミングすぎるよ紫月くん!!
確かに今の発言だけ聞くと、間宮ラブな紫月くんが俺に敵意向けたくなる気持ちは分かる。でも全然違うから、ただこいつが頭スカスカなだけですから。ええ本当、こっちが迷惑してるんですって。お願いだから誤解しないで下さい。
「……上野」
「い、言っとくけど違うからな。俺と間宮はなんっにも」
「悪かったな」
唐突に頭を下げてそう言う。また間宮と話している所を変に誤解した紫月くんに何か言われるんじゃなかろーかと身構えていたばかりに、あっさりと謝られて拍子抜けした。いや、紫月くんは俺に頭を下げるなんて死んでも嫌なはずだから、あっさりというわけにはいかないか。どちらにせよ、俺は少し混乱しているぞ。
「いや……まぁ、分かってくれたならいいんだ。うん。あ、でも姫路先輩にキスしたことは結構まだ」
「えっえっ、どうしたの二人とも!?」
「あーうるせぇ間宮! お前が一番に謝れ!」
「は? 意味分かんない」
何が意味分かんない、だ。原因を作ったのはお前じゃねぇか。頭にきた。よし、今日こそはガツンと言ってやろう。
「咲舞くーーーん!」
「えっ、せんぱっ……んん!?」
いきなり教室に現れた姫路先輩が俺に抱き着いてきたかと思うと、突拍子もなくキスをしてきた。
教室のど真ん中、一気に歓声やら野太い悲鳴が教室中に響き渡る。
「…た、タンマ…んっ…ちょ…先輩っ!」
あまりの突然な事に慌てて、先輩の細い体を引き離す。先輩は満面の笑みだった。
「好きっ。大好きだよ!」
……なにこれ、やばくない? 俺の恋人超絶可愛いんだけど。ちょっと感動して泣きそうだ。先輩の信者がすごい目で見てるなんて知らない。
「あれぇ? エマ、二股掛けてたんじゃないのぉ」
おい、ちょっとは空気読めよ。間宮。
あと二股じゃない。恋人が二人いるだけだ。
「……ガセだったんだって」
今にも先輩の信者が暴動を起こそうとせんばかりの空気の中、なんと紫月くんが発言した。
「えー。よくある見間違いってヤツ? なんだ面白くないのー」
「紫月くん……」
俺を庇ってくれた……のか?
ちらり、と見れば紫月くんと目が合った。舌打ちでもされるかと思ったが、そうでなく、ニヤリとニヒルに笑った。え、俺に笑顔向けたのって初めてなんじゃない? なんと言うか、物凄く悪い顔してるけど。
「大切な恋人だろ、泣かせるなよ」
少女漫画にありがちな恋敵の台詞を口にする紫月くん。っていうか、紫月くんはその台詞、牽制する為に使ってるでしょ。
全く、いつになったら紫月くんの誤解は解けてくれるんでしょうね!
《 小悪魔編 -了- 》
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