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水戸は自由奔放になりたい。にしおりをはさみました!
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水戸は自由奔放になりたい。
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「ひまだなあ。」
ふと水戸が呟く。
桜木がそれに同調して「暇だ!」と叫んだ。
一方、三井は可哀想に、まだちょっと凹んでた。
(うんこじゃねーぞ…だけど、オナニーとも言えねえ…あああ…はぁ…)
こういった感じで桜木をチラチラと見る三井だった。
実にドンマイとしか言いようがない。
だがしかし、彼にはまだ希望…いや、光がある。
それは今日のお泊まりだ。
二人きりの、お泊まり。
これはもう彼にとって、
さっきの恥ずかしい事態だって
まっ、いっか。 と思えるほどに楽しみなことなので。
桜木ともう一度キス…と考えると
胸を踊らせ、口元が緩む可愛らしい三井寿だった。
「オマエら帰らなくていいのかよ?」
桜木がそう訪ねた。
三井と水戸に。…流川は寝てるのでとりあえず除外。
三井は「か、かえんねーよ。」と口元をだらしなく緩ませながら答える。
水戸は言った。
「うーん、まだ居るよ。」
そう言葉にした水戸に対し、三井は思った。
(早く帰れ!!)…と。
だが残念です、三井くん。
水戸は既に気付いていた。
三井の幸せオーラに…
何か企んでるな、と。水戸は実に鋭い男である。特に桜木のこととなると水戸の鋭さは増す…ので、このあからさまな三井のオーラに気づかないわけがなかったのだ。
彼は考えていた。
(…さて、なにをしようとしてんのかね。この人は)
ジーと三井の緩みまくった顔を見つめる。
そこらへんはまだわかっていないので
桜木家に留まる、ナイトな水戸であった。
「そうかそうか!まっ、いいんだけどよ!
楽にしていけ!はっはっは!」
そうとも知らず、桜木花道はニコニコとゴキゲンの様子で。水戸は思った。
(はな…もっと危機感を持ってくれ…)…と。
こうもなったら仙道に“保護者”と言われても文句は言えないだろう根っからの保護者ポジションの水戸洋平であった。
その時、流川の携帯がバイブと共に着信を知らせる音が鳴り響いた。
「オオ?」
桜木は立ち上がり、流川の携帯を手に取る。
ディスプレイには《自宅》とあった。
出てやろうか、と思い
応答ボタンを押そうとしたその時、水戸がそれを止めた。
無断外泊だったら今後の花道の印象を考え、その行動にでたのだ。
「流川を起こそう」
「暴れるぞ。キツネは…」
「だろうな。」
そのあいだ鳴り響く着信音。
流川を起こせれば早いのだが
彼は起こせない。
起こしてしまえば『俺の眠りを妨げるやつは何人たりとも許さん』なんて言って暴れるのが目に見えてるからだ。
ああなった流川は手のつけようがない。
教師にさえ、殴りかかるのだから大変な寝起きの悪さなのだ。
「俺が出る」
バッ、と桜木の手から携帯をとったのは三井。
そしてアッサリ出てしまった。
「あ。」「ミッチー…」
水戸は思った。
(ま、花道じゃないし。いっか。)
桜木は思った。
(おお…男だ…)、と。
ふたりは三井の様子を眺める。
「はい」「そうなんすか。」「分かりました」
と短調な返事を繰り返す三井。
数分もしないうちにその電話は終わった。
「親御さん、なんて?」
「んー、なんか早く帰ってこいってよ。
すごい剣幕だったな…最初。」
「へえ、なんなんだろうな。
とりあえず流川…どうする?」
起こす?と水戸は聞いた。
三井は「殴られんの嫌だぜ、俺…」と情けなく呟いた。それでも元ヤンか、おい。
すると桜木が動いた。
流川の眠るソファーの元へズンズンと歩みを進めていったのだ。
「お、おい花道…」
水戸は引き止めたが桜木は「まどろっこしいことは嫌いだ!大体なんでオレサマがこいつなんかに気を使わにゃならんのだ!!
たたき起こす!!!!」
そう大声を張り上げて、流川の肩を揺さぶった。
…起きない、と分かった桜木は思い切り眠る彼の頭に向かって頭突きをかましてしまった。
「ふんぬー!!起きろルカワー!!」
────ゴチン!!
真正面からの見事な頭突き。
おでことおでこがくっついた状態で流川は目を開けた。
三井は焦った。
(や、やべえんじゃねぇか!?これ…!!)
水戸は既にファイティング準備だ。
(しかたねえか…花道は守る。)
だがしかし、流川の反応は驚くものだった。
「どあほう…」
「ぬ。起きたかルカワ…!」
「起きた」
そう言っておデコを離したかと思うと
そのまま桜木の唇にチュッと可愛いリップ音をたてキスをしたのだ。
水戸と三井は固まった。
桜木も固まった。
流川だけ、桜木にギュッと抱きついた。
…どうやら、彼は惚れた人間には
眠りを妨げられても暴れないようで…
それどころか…甘えん坊になっちゃった流川であった。
水戸は止まる思考回路をフル回転させ
流川と桜木の間に割り込んだ。
「るっ、流川!!親御さんが早く帰ってこいってさ!なんか用事があるらしいぜ!」
「ねえ。」
「いやあるんだって!さっき電話入ってたんだ」
「…」
流川はチラリと三井の持つ携帯が自分のものだとわかると
チッと舌打ちをし、ゆらりと立ち上がった。
「…どあほう…またな」
それだけ呟くと流川は荷物を手に
スタスタと帰っていった。
「…っ!!クソギツネー!!!」
桜木がそれに反応を見せたのは
流川が部屋を出て5分後のことであった。
一方で水戸は嫉妬で頭がぐらぐらきていた。
(どーしてこうも…花道は隙だらけなんだ…)
と、深く深く頭を抱え込む彼だって一人の男だ。
どんなに保護者ポジションであろうが桜木とイチャイチャしたいし、キスだってしたい。
もちろんそれ以上のことだってしたくて堪らない。
だがそれを我慢するのは偉業の技で…
ふと、自由奔放な仙道や流川を羨ましいぜ、と思う水戸洋平だった…
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