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その鈍感さは確かに天才だぜ、花道。
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そうしてなんやかんやで部屋に残されたのは三人。
三井、水戸、桜木。
「あ、俺…1回帰るわ。」
ふと三井が立ち上がる。
読者の皆様、見当はついているでしょう。
そう…この男…三井寿は1回自宅に戻り、親父の酒を盗んでこようと企んでいるのだ。
もちろん、その事実は誰も知らない。
桜木なんか 三井の完璧な標的なのにヘラヘラ笑って「おう、またなミッチー!」と元気にお返事。
「…なにしに帰んの?三井さん。」
…だが水戸洋平は桜木ほど甘くはない。
“なにしに”帰るのか。それを知りたい水戸はすぐさま三井に問う。
「…べ、別に何だっていいだろ!
…いっいろいろあんだよ俺にも!」
「…ふうん…まぁ、深くは聞きませんけどね。」
ニコリと笑う水戸だったがその目は全然、全くと言っていいほど笑ってない。
怖い…恐ろしすぎる。
そう三井にとってこの状況はまさに蛇に睨まれたカエル…
このままここにいては何かがマズイ!と察した三井は、さっさと部屋を出ていくのであった。
そうして水戸は桜木と二人きりになった。
…が、彼はかなりイラついていた。
もちろんそれは表には出さない。桜木に気づかれないように、そのお怒りオーラを出さぬようする。
水戸はずっと考えていた。
さっきの流川のキスといい…
三井さんのあの挙動不審さ…
…そしてここにいる花道は何も気づいていない。
感付くのはいつだって自分。
それを守るのもいつだって自分だ。
守ること自体嫌なわけじゃない。
…だけど少しくらい、ほんとに少しでもいいんだ。
危機感を持って欲しい。
花道は昨晩の時点で6人ものいい男から狙われてて、それは紛れもない事実だ。
しかもベロチューだぞ?ありえない。
しかもそれを許しちゃうんだこの桜木花道は…
だが憎みきれない…なぜなら愛おしいから。
そんな優しくて鈍感な花道も大好きだからだった。
「はな。」
「ん?なんだね、洋平。」
「今日、三井さんと何かあんの?」
「…!」
フワッと赤くなる桜木。
別に桜木に他意があるわけじゃないが
なんとなく意味深な聞き方をされるとどうしても昨晩のことを思い出してしまい、顔を赤く染める彼だったが、
桜木の考えてることなんてわからない水戸は
その様子だけを見てピキリと頭に来るのだった。
「なんかあんだ。」
「な、なんかって、別に…な、なにもないぞ!」
「じゃあなんでそんな顔あけーの?」
「…うっ。ち、違う!誤解すんな洋平!
ミッチーが俺んちに泊まるんだっ!そ、それだけだ!」
「はぁ?」
なんたってこの男はガードがやわいんだ。
ありえない。また泊まるだって?あれだけキスされといて。
そうしてすべてが結びついた。
…だからか、三井さんのウキウキしたあの様子は…
そして静かに決心するのだ
(思い通りになんかさせるわけにはいかねーな。)…と。
水戸はニコリと桜木に微笑みかけた。
「はな、俺も泊まるよ。」
当然、桜木がそれを断るはずもなく
アッサリ了承。
三井の気も知らずに…罪な男だ、桜木花道。
「もう悪酔いすんなよ、洋平!」
「じゃあ酎ハイ以外の酒よろしく頼むぜ。」
────その頃、三井寿はあわれにも
父親の酒をコッソリかき集めているのだった。
…まるで水戸の為のようだ、作者はそう思った。
注意、彼らは未成年である。
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