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1日目 2にしおりをはさみました!
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1日目 2
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「………」
「………」
転校生が来て、挨拶も早々に先生の制止も聞かず、俺の元に一直線にやって来たかと思えば面白くない冗談を言われる
クラスメイトも先生も、勿論俺自身も唖然とするしかない
「…りっちゃん?」
「………え?あ、うん、いや、え?」
唖然と見上げていたら顔を近付け首を傾げる
ふわりとしたイケメン顔をコテンと首を傾げ、俺の瞳から目を離さない
ドギマギして誤魔化そうとしたが、俺の、あだ名を呼ばれ一気に頭の中が真っ白になる
こんなイケメンに出会ったことがあったか?いや、その前に結婚ってなんだ⁉︎誰だ!こいつは!
「…あ…もしかして覚えてない?
陽介、穂積陽介。小さいころ一緒に遊んでたんだけど」
「よー…すけ…」
「そー、りっちゃん」
名前に聞き覚えがある
陽介…よー、すけ…………よー、くん?
考え込むため頭を下げていたのを勢いよくあげ、陽介を見つめる
陽介はふわりと笑顔を浮かべたまま俺の顔を見ていた
「よー、くん?」
「はい、りっちゃん」
「よーくんっ⁈」
昔の…俺の記憶のよーくんはやんちゃもので時より俺をからかい、それでも優しくて元気っ子だったはずだ
今のよーくんはそんな気配は微塵も感じられないほどイケメンで、ただ座ってるだけでも女子にモテるんじゃないかと思うほど…男の俺からしてもこいつが友達だったらどんなに自慢できるほどか…
いやいや、10年も会ってなかっただけで何があった
そして、結婚だと?なんの間違いだ
やっぱり理解不能なことばかりで俺はついにキャパオーバーで思考を停止せざる負えなくなった
効果音がつくのであればプシュー…と頭から煙が出ていることであろう
俺はそのまま重力に逆らわず、座っていた椅子へと落ちる
「え、りっちゃん?だいじょーぶ?」
「あ、え、うん、だいじょーぶ…」
いきなり立ち上がり座り込んだ俺によーくんも心配せざるおえない
俺の前にしゃがみ込み、顔を覗き込む
全然意味が分からないが、反射的に言葉を返す
そうすると明らかにホッとした、子供のころに見たことのある笑顔が見える
…あぁ…こいつはよーくんなんだなと確信を得る
「お前ら…知り合いだからって挨拶もなしにいちゃつくな、穂積、自己紹介くらいしろ」
「あ、すみません、先生」
ようやく陽介が離れ、頭の整理をする
隣からも前からも何か言いたそうにソワソワしてるのは気付かないフリ
遠くの方で女子が何か言ってるが、そんなのは聞こえないふり
…まず、俺に聞こうとするな、俺だってキャパオーバーで頭真っ白なんだよ
「初めまして、穂積陽介です
つい2年前まではヨーロッパにいました
10年前にここに住んでいたので日本語は大丈夫です
この髪は地毛なのですが、クォーターとかハーフとかじゃないので…えと、よろしくお願いします」
白い金髪をちょっと弄りながら、困ったような顔をしてはにかむ
女子たちのきゃーという悲鳴が聞こえる気がする
俺がぼーっと見ているのに気付くと、幸せそうな笑顔を見せる
また、女子たちの悲鳴が聞こえるが、遠くで言ってるようで俺の耳には入ってこない
小さな頃とは違う、何か分からない感情に押しつぶされそうでその時は恐怖しかなかった
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