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1日目 5にしおりをはさみました!
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1日目 5
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女子を振り切り、昇降口に行き下駄箱から靴を取り出す
この学校はローファーでないと行けない訳じゃないから俺は黒のスニーカー
スニーカーと言えども厚底。運動靴とか厚さのないやつは歩きづらくて…
トントンと靴を履いてると後ろから抱きしめられた
手が首に回り、隙間なく抱きつかれる
後ろから泣きそうな小さな声で「りっちゃん…りっちゃん…」って確認するかのように呟いている
「いいから帰るぞ、いい加減苦しい」
「…うん」
陽介が靴を履き終わるのを待っていると、いつだか泣きそうな顔して一緒に帰ったことがあったなと思い出した
そんときはどうしたんだっけか、帰ってるときは笑顔だった記憶があるんだが………あ
「いこ、りっちゃん」
「……ん」
「………え」
「こうしたいんだろ?」
あの時は陽介が『て、つないで…?』って言ったんだ、手を繋いだら嬉しそうに笑ってくれて歌を歌いながら帰ったんだ
高校生にもなってこんなん言わないだろうから、今回は俺から手を差し出す
少し恥ずかしくて目線を外して手だけを出したが
「…覚えてて、くれたの?」
あの頃とは違って手を握る感覚はすぐ来なかった
「覚えてるも何も…思い出したんだよ
握んねーならさっさと行くぞ」
そう改めて言われると気恥ずかしくなり、そっぽを向いて外へと歩き出す
「待ってよ!」って声が後ろから聞こえたが、知らんぷり
それでも追いつかれ、ぎゅっと手を握られ、えへへと笑い出すと離せとは言えずに、俺らは手を繋いで帰って行った
そんな姿を見ていた人達がいたことには俺は気付かなかった
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