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人狼編⑶にしおりをはさみました!
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人狼編⑶
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1日目・昼 つづき
「やあやあみなさん。こんにちは!」
下船した俺たちを待っていたのは、楽しそうな声で呼びかける透と、村木と、洋子と、冷めた目をした幼い男の子だった。
何事かわからずざわざわする一同を、透は満足げに眺めている。
「村木ってのは誰なんだ?その男のバイトとして来たのだが…」
エドガーが問うと、村木が一歩前に出た。
「俺が村木だ。君たちは、あるゲームに参加するために集められている。参加するだけで給料は出すが、ゲームで勝利すればより多くの報酬を出すから、頑張ってほしい。君たちがお金に困っていることは、よーく知ってるよ。それじゃあ、詳しいゲームの内容は透から」
「オッケー村木くん!君たちには今から、村木くんチーム、洋子ちゃんチーム、僕のチームに分かれて勝負してもらいます。それぞれのチームには、ノンケチーム、腐女子チーム、ゲイチームという別名があります。そうです!実は君たちの中には、ゲイが2人、腐男子が1人、腐女子が1人混じっているんです!」
透がゲームの説明を話し始める。
俺は、前回やったし聞かなくていいやーと思いながらぽけーっと立っていた。
「ノンケチームが勝利するためには、ゲイを全員追い出さなくてはいけない。ゲイチームが勝利するためには、ノンケチームとゲイチームの人数を同じにしなくてはいけない。腐女子チームが勝利するためには、ゲイチームとノンケチームの決着がついたときに、その場に残ってなくてはいけない。その場合、ノンケチームもゲイチームも敗北となる」
「(役職説明)」
→書く気力がないので、1ページ目のルール説明を確認してください三( ゚∀゚)
役職で変更した点は、ノンケチームの(一応)目的だった伝説の石がなくなったところくらいです。
「占い師、ボディーガード、スパイを誰がやるのかということだけど、該当者のコテージにその働きをするための道具が置いてあるから、確かめてみてね!怪しげな薬は体に悪いのでやめました!」
おいこら。前回俺体に悪い薬飲んじゃったぞ。
一通り透の説明が終わると、周りの空気が変わっているのを感じた。
どちらかといえば和やかな雰囲気だったのに、今は緊張感が漂っている。
襲われることを、警戒しているのだろうか。
そんな中、透と村木の間にいた、幼い男の子が静かに発言した。
「混乱されているところ申し訳ありません。僕は鴨といいます。今回のゲームで、進行役を務めます」
3歳くらいに見える男の子が、すらすらとそんなことを話し始めたので、俺たちは固まってしまった。
「どうかされましたか?全ての文句はパパに言ってください」
そういって鴨は透を見る。
「まったく鴨にはかなわないなあ。これ、僕の息子!僕に似て頭がいいんだよ」
そういうレベルじゃない。3歳にして尋常じゃない落ち着きっぷりと語彙だ。
「いや、透に似たんじゃなくて俺に」
「はいはい、村木くんは黙ってて」
「黙らなくていいよ村木くん!2人の話、もっと詳しくお聞かせくださいっ!」
洋子が興奮して村木に詰め寄る。
透は笑顔で2人を引き離した。
「それじゃあ、みんな、ルールはわかったかな?僕たち3人は船に戻るけど、鴨の言うことをよく聞いて生活してね!それじゃあ、解散ー」
説明が終わると、ぱらぱらと人がいなくなり始めた。俺もコテージに戻ることにしよう。
「あ!シン!俺もコテージ行くから、一緒に行こうよ」
ナオキが声をかけてきた。
「ああいいよ。なんか…すごいことになっちゃったな。ゲイが2人、混じっているとか…」
「そうだね。…でもさ、シン。たしかに今は敵チームだけど、そんな風に、自分たちとは異質な人としてとりあげすぎるのは、よくないと思うよ」
「あ、ああ…」
予想外のことを言われ、ナオキをじっと見つめる。
…こんな状況じゃなかったら、ナオキに相談できたのかもしれない。4年前から、自分が変わってしまったのかもしれないと悩んで、確かめることすらできないでいること。
「シンと一緒なら、こんな変なゲームもなんとかやりきれる気がするな!」
ナオキがにっこり微笑みながら俺の手をとって言った。
少し、胸が痛む。
ナオキは俺を信じてくれてるみたいだけど、俺はナオキの敵だ。一夜に一人、ノンケを襲い、逃げ切ることを目標にしている悪いやつなんだ。
でも、これはナオキには言えない。
「…うん。一緒に、頑張ろうな」
元気のない言い方になってしまったからか、ナオキは不思議そうな顔をした。
コテージに着いた。
ずっと嘘をついているのは、思った以上に疲れるらしい。
やっとプライベート空間を手に入れた、と思いながら扉を開けたのだが
「よう、シン!俺らゲイは相部屋だぞ!」
部屋の中には、先客がいた。
1台のベッド以外何もない部屋。
そこにはヤスがいたのだ…。
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