アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
人狼vs狩人編(4)にしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
人狼vs狩人編(4)
-
side:シン
アランと名乗るちょっと変な人と話しているうちに、島に着いた。エドガーの後輩のようだけど…2人とも、芸名か何かなのか?
ともかく、あんな風に好意を全面に出せるのは羨ましく感じる。俺には到底できない。
島では透と村木が待っていた。
「みなさん、こんにちは!僕は透です」
毎度おなじみの嫌味のように明るいテンションで透が話し始めた。
「おい、ここはどこなんだ。俺たちをどうするつもりだ?」
見るからにイライラしていそうな一人が声を上げた。
「村木くんにはなんて言われたかな?それは知らないけど、とにかく今からみんなにはゲームをしてもらいます」
透は強引に話を進めていく。
「勝てば僕が責任を持って、あなたの願いを1つ叶えてあげます!負けても大丈夫!参加してくれたお礼ということで、日数分のお金をちゃんと渡します。まあ素敵!」
…願いを叶える?
本気で言っているんだろうか。
もし願いが叶うなら…?
「詳しいゲームのルールについては…今日の主役が来てからにしようかな。ちょっと遅れるらしいから、君たち自己紹介でもしててよ。相手を知ることが大事なゲームだからね。名前と年齢と好きなものとか?」
参加者は円になって自己紹介をすることになってしまった。
と言っても事情がわからない初対面同士ということもあり、誰も話し始めない。
あんまり目立ちたくないけど、ここは俺が進めようかな、と思った時、アランが声を上げた。
「じゃあ、こうしていても仕方ないし、自己紹介でもしてみましょうか!僕はアランです。22歳で、そちらにいるエドガー先輩の助手をしています。好きなものはエドガー先輩の笑顔です。よろしくお願いします!」
…なんというか、独特だな。
口火を切ってくれたものの、次に続きづらい。
「えーと、時計回りに行きましょう!」
「…お前、怪しいな」
「はい?」
さっきイライラしていた人がアランを睨んで言った。
「こんな状況なのにのんきに気持ち悪い自己紹介して…実はあいつらの仲間なんじゃないか?」
「違いますよ!僕はただ、みんなのことお互いに知っておいたほうがいいかな、と思っただけです。これから何があるかわからないですもん」
「…ふん。どうだか」
「まあまあ。時計回りってことは次は俺だよね?俺も自己紹介するね」
アランの左にいる人が2人をなだめた。
「俺はヒロ。21歳で大学4年生。好きな食べ物はカップヌードルのカレー味かな。よろしくね」
…うん。なんだか普通の大学生って感じだ。
次に、ヒロの隣の人が手を挙げた。
「俺はヨウだ!同じく大学4年生だけど、誕生日来てるから22。可愛い子が好きだな!」
…声が大きい。嫌いなタイプだ。
ヨウの隣にいたのは、アランにつっかかっていた人。
「…ミコトだ」
「えー!それだけ?」
ヨウがバシッと背中を叩いたが、ミコトはシカトした。機嫌が悪そうだ。関わらないほうがよいだろうな。
「…えっと、もういいかな…あ、やっぱだめ?いい?あはは…」
ミコトの隣の人がごにょごにょと話し始めた。
「えっと…俺はソウタ。あ、歳は21。好きなものは水草たん…わかんないよね、ごめん」
なんだか話しててモヤモヤイライラとしてきそうな人だ。
その隣の人は、ソウタのごにょごにょをスパッと切るかのように堂々と話し始めた。
「俺はショウヤだ。歳は23。好きな食べ物は金平糖。こんな状況だがよろしく頼む」
次はエドガーだ。
「私はエドガー。名探偵だ。25歳で、好きなことは仕事だ」
ところで名探偵って何をするんだろう。事件が起きたら警察に通報する人がほとんどのような気がするけどな。
「じゃあ次は僕かなっ!僕はミノリ。20歳で、好きなものは甘いもの。こんなことになっちゃってすっごく怖いけど、仲良くがんばろ!えいえいおう!」
おおお…この人苦手…
一瞬しんとした後、ミノリの隣の人が話し始めた。
「俺はナツキ。21歳だよ。好きなものはラーメン。よくわからない事態になったけど、俺はこの出来事は全部ドッキリで、実は俺の誕生日パーティーなんだろうと踏んでるぞ。…あ、これ言ったらまずかった?」
盛大に勘違いしているようだ。でもそう思っておけば幸せなのかもしれない。
ナツキの隣には、なんだか地味な人がいる。
「俺はマサジ。23で、好きなものはスマホいじりだ。よろしく」
最後に俺の番だ。
「俺はシン。24歳だ。好きなものはお金だ」
俺は今でもヤスよりお金のが好きだ。…たぶん。
「長ーい紹介が終わったところで、ようやく今日の主役の登場だね」
「みなさん!こんにちはっ!」
ぱらぱらぱら…と音がしたと思ったら、洋子が上空にやってきたヘリコプターから飛び降りた。
「着陸成功です!透くん、村木くん。今日はわたしのために素敵な会を開いてくれてありがとう」
「いいんだよお礼なんて。お祝いだから。それより、どうかな?ここにいるのが、ゲームに参加してくれる人達だよ」
村木は得意げにこちらを示した。
「うーん、ベリーグッドです!色んなタイプが揃っていて。…あら?ヤスくんいないの?」
「本当は来るはずだったんだけど、事故に遭っちゃってね」
「あらら。お大事に」
「それじゃあそろそろ始めようか」
透が2人の話を打ち切った。
「洋子ちゃん結婚記念BL人狼ゲーム!」
え!結婚?!
…いろいろつっこみたいけどおめでとう!
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
46 / 151