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3人人狼編(3)にしおりをはさみました!
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3人人狼編(3)
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1日目・夜
side:アラン
シンは怒りの言葉すら出てこないのか、ぽかんとヤスを見つめている。そしてヤスはというと、全く気づいていないのか、にこにこしている。ひどい空気だ。
僕の発言のせいだけど。
言うまでもないが、僕は忙しい合間を縫ってせっせと会いに来てくれたヤスに本気で惚れてしまった……わけではない。
これはちょっとした復讐だ。
ヤスが扉を開けた瞬間のシンの笑顔を見た瞬間、ぴんときた。シンはおそらくヤスのことが好きだ。
エドガー先輩を無理矢理犯したのは許せない。特にシンは、この世界においても犯している。少しくらい苦しむべきだろう。ヤスに恋人として甘えるなんて鳥肌が立つけど…。
ぽかんと立っているシンをほったらかしにして、ヤスは部屋の中を物色している。
「あ、見て見て。こんなの見つけた」
そしてそのうち、机の中から数枚のプリントを取り出し僕たちに見せてきた。
「こっちがゲームのルールで、こっちが参加者の名前と写真とスリーサイズだって」
…スリーサイズ。
まったくもって興味がない。
そういえば、ゲイ側で参加ってことは、僕も誰か襲わないといけないのか…?
「アランはルール知らないよね?紙読む?」
「あー、うん」
よく知っているけど、知らないふりして紙を眺めた。
「シンはわかるよな、もう3回目だし。どの子にしようか?」
「あ…ああ…」
僕もつられてヤスの持つ紙を覗き込むと、参加者が書いてあった。
「あ…」
「どうした?アラン」
「ううん、なんでもない…」
見覚えのある名前があったので思わず声を上げてしまった。過去に戻ってきたのだから当たり前かもしれないけど。
この3人以外の参加者はざっとこんな感じだ。
ーーー
ショウヤ
ナツキ
ソウタ
ミコト
ヨウ
マサジ
アキラ
ハヤト
ナルミ
ゴロウ
カエデ
ーーー
ところでこのゲーム…僕はとても有利なんじゃないだろうか。
役職まではわからないけど、ショウヤ、ナツキ、ソウタ、ミコト、ヨウ、マサジについては、ノンケであることを既に知っている。初めて見る名前の5人の中に、腐男子や腐女子がいるということだ。
問題は…それをこの2人にどう上手く伝えるかってことだけど。
「アランは誰か襲いたい人いるの?」
ヤスが何の曇りもない笑顔で聞いてくる。これが恋人に対する言葉なんだろうか…?ヤスってどこかがズレてるな。
「えっと…僕はいいよ。シンさん選んでください」
「…は?俺?」
突然話しかけられ、シンは不機嫌そうに聞き返した。
「僕、初めてだからよくわからないし、心細いからヤスと一緒にいたいな」
そう言ってヤスにくっつくと、ヤスはにやにやしながら頭を撫でてきた。とてもうっとうしい。
「そうかあ。それなら仕方ないな。シン!トップバッターは任せた!」
「ええ…俺だってヤス以外とやるのは…」
シンは明らかに不満そうな顔をしている。
「俺は、シンのことすごく信用してるんだ。シンならきっとやってくれる。それも、俺らよりよっぽど上手く。シンがやってくれるなら、俺はシンのことをもっと好きになっちゃうだろうなあ」
「……わかったよ。俺が行くから、テキトーなこと言わないでくれ」
シンはため息をついて参加者名簿を放り投げた。
「もう誰にするか決まったの?」
「ハヤトって人」
「どうして?」
「どうしてって…テキトーだよ。この人ならまだやれそうかなって人を…」
「ふーん。そうか」
ヤスは名簿を拾い上げ、さっと眺めた。
「ハヤトはダメだ。ヨウにしなよ」
「はあ…?どうして?」
「どうしても」
ヤスはシンを無理矢理部屋から締め出した。
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