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涙のキス②にしおりをはさみました!
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涙のキス②
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(葵語り)
熊谷先生からは煙草の匂いとお日さまの匂いがした。
「泣きたいときは泣けばいいから。スッキリするよ。伊藤君は何も悪くない。」
「……うぅ……ぐず……うぇーん…」
後ろからぎゅっと抱きしめてくれた。
優しい言葉に涙が溢れてきた。
あとからあとから大粒の雫が落ちてくる。
泣きすぎて、格好悪くて、後ろの熊谷先生を見れなかった。
どれくらい泣いてたんだろうか。
外から先生の声は聞こえなくなっていた。
「伊藤君。おーい、いとうくーん。」
熊谷先生が後ろから耳元で俺を呼んだ。
涙で顔がぐちゃぐちゃだから恥ずかしくて後ろを振り返れない。
それに……心臓があり得ない位ドキドキしてる。
「葵、こっち向いて。」
「え、葵……って。」
いきなり名前を呼ばれた。
びっくりして振り返ると、熊谷先生が俺の顔を両手で包む。
くるりと向かい合い、おデコをこつんと合わせた。
「涙がいっぱいだね。ブサイク。」
むにょーんと頬を引っ張られる。
たぶん今の俺は本当にブサイクだ。
「やめてくらはい。」
「やめない。」
熊谷先生が涙をペロリと舐めとった。
「しょっぱいな。」
再びペロリペロリと舌が頬を滑る。
「ふふふ、くすぐったいです。」
そして熊谷先生は、笑って俺に触れるだけのキスをした。
「びっくりした?不意打ち。」
「……………」
すごくドキドキする。顔が赤くなる。
だけど、もっとキスしたい。
思わず俺は熊谷先生の顔に手を伸ばしていた。
ぐいと引き寄せて、口を少し開けて舌を入れる。
熊谷先生は驚いたみたいだったけど、何も言わず、すぐ応えてくれた。
舌が俺の中に入ってくる。
くちゃくちゃと唾液の混ざる音が頭の中に響いた。
強いのと優しいが交互でやってくる。
次第に頭が上の方がしびれて立っていられなくなった。
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