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逆上せにしおりをはさみました!
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逆上せ
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「うーん……逆上せちゃった……」
ぐったりして、なんとなく、さっきの会長みたいだな、って思った。
部屋で横になると、視界がぐるぐる回ってるような気がして、余計気持ち悪くなった。
暑くて浴衣を剥いで大の字になる。
「おい、ちゃんと着ろよ……」
「えー……暑いんだもん……」
会長がぼそりと何かを呟いた。
聞き返すのも億劫で、視線だけ会長に向けた。
「大丈夫か?
さっきまでのオレとま逆だな」
そんなことを言う会長に、クスクスと笑う。
僕と同じこと考えてたんだって、少し嬉しくなって。
そんな僕に、会長は怪訝な顔をした。
よいしょ、と呟いて上半身を起こすと、浴衣が肩から落ちた。
「おまっ…………もっと自覚しろ、この馬鹿っ」
「えっ……わっ、ちょ……な、なに?
どうしたの、いきなり」
いきなり怒り出した会長は、浴衣をきちんと着せてくれた。
自覚って何さ?
っていうか、馬鹿って……そこまで言わなくったって……
ぷいっと外を向いた会長に首を傾げる。
僕、何かした?
じっと見つめていると、拗ねたような会長と目が合った。
可愛いなぁw
それから少しして料理が運ばれてきて、二人で「美味しいね」って言いながら食べた。
夜も遅くなって、布団の上に横になる。
「ねぇ、会長……」
反応を見せた会長も、僕と同じように布団に寝転がった。
そんなことがなんか嬉しくて、クスクスと笑った。
「今日、来てくれてありがと。
こんな風に誰かと笑って、話して、ご飯食べて、温泉に入るのってさ、すごく楽しいね。
…………誕生日にね、これからも祝ってくれるって、凄い嬉しかった。
それはもう、泣きたくなるくらい……」
虹に、「時雨って、案外泣き虫だよな」って笑われて、あまり人前で泣かないようにしてたのに……
会長って、不思議だよ。
出会ったばっかりの頃は、僕と目も合わせようとしなかったのに……
いつからなんだろうね。
でも、これってさ……
「僕のこと、信頼してくれてる?」
そう聞けば、会長は黙って天井を見つめた。
そんな横顔を見て、綺麗だなって思った。
「……そうだな。
いつからかはわからないけど、いつの間にか、お前のこと信頼してた。
多分……あの時だな」
「あの時……?」
「篠宮が、制裁してた奴らに怒鳴ってた時くらいからじゃないか?」
「あー……そんなこともやっちゃったね。
……ほんの1ヶ月前なのに、随分色んなことがあって、昔のことみたいだよね。
……でも、会長、あの時会長、怒ってなかった?」
「そうだったか?」
「そうだよ。
委員長も会長が機嫌悪いって言ってたし」
「さぁ……忘れた。
まぁ、多分、あの時は気が荒立ってたんだろうな。
マリモ野郎のことや、仕事が多過ぎて」
そうだよね。
今は僕と会長と、日月くんと春くんがやってるけど、今度は直々来てた書記が全く来なくなった。
会計は口先だけで、クリスマスパーティー直前に数回来ただけで、それから来てないし。
会長の言うマリモは、クリスマスパーティーの後夜祭のときも、何かやらかしたらしい。
まだまだやることは残ってるんだよね。
「なぁ……」
「……うん?」
会長は、上半身を起き上がらせて僕を見てきた。
「オレの方こそありがとうな。
お前とここに来れて楽しかった」
ふ、と口元を緩めた会長がかっこよくて、何故か胸が高鳴った。
そんな顔……ズルいなぁ……
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