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真面目な話し合い 05にしおりをはさみました!
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真面目な話し合い 05
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「じゃあねー、こうしよう。一回でも傷付けないで済んだら、オッケーということにしよう?」
誕生日前後は、ほぼ毎日のように傷付けたくなると思うから、その内の一回だけ。
「それなら…頑張れる」
さっきと違い少し笑って返事をする光さん。
「一緒に頑張ろうね」
「うん。ありがとう」
二人で頑張ればどうにかなる。
「他に自傷のことと、別れのことで思うことはない?」
「ないかなあ。色葉くんは?」
「ないよ。じゃあ光さん破って?」
はい、と二枚のメモを手渡すと光さんは受け取って破り捨てた。
「次は、今の光さんのメモと似てる本当に男の俺でいいかっていうのにしよう」
俺と違って光さんは繊細だから傷付きやすい。
だから光さんが男はやっぱり嫌というのなら別れてもいいと思っていた。
「これは、結婚とか子供のことかな?」
「うん。あと、いつかは両親とかにカミングアウトしないといけないから、本当に結婚も出来ない、子供も作れない俺でいいのかなって。ほら、俺は家族にカミングアウトしてるからもうどうってこともないけど、光さんは違うでしょ?」
俺は馬鹿だから、あまり気にしないで家族にも友達にも言ってる。
そして幸いにも勘当も拒否もされてない。
でも光さんの家族は分からない。
カミングアウトして勘当や拒否をされるかもしれない。
それで傷付く光さんを見たくはない。
それくらいなら、俺は身を引く。
「色葉くんは優しいね。僕は色葉くんがいいよ。結婚もしなくていいし、子供もいらない。家族は説得するからいいよ。まあ、心配しなくても大丈夫。むしろ僕なんかと付き合える人が出来て喜ばれるよ」
ありがとう、と光さんは優しく笑って、少しキュンとした。
「可愛い…じゃなくて、うーん…本当に?俺は勝手にカミングアウトしちゃったけど、光さんは家族にカミングアウトするときは俺に言ってね。約束だよ?」
「どうしよっかなあ」
うわあ。光さん意地悪な顔してる。
「約束してくれないなら、ひかさんと別々に寝てやるからね」
意地悪な光さんにベーッと舌を出すと、光さんは笑って「約束するよ」と言ってくれた。
「色葉くん」
いきなり真面目な声になる光さんにビクッとした。
「な、なに?」
「結婚も子供を作ることも出来ないけど…僕といてくれますか?」
目は少し腫れているけど、真剣な顔をする恋人に見惚れてしまいそう。というか見惚れる。
「はいっ」
少し声が上ずってしまったのは気にしない。
「ありがとう。色葉くん」
そう笑顔で言う恋人は、今までで一番格好いいと思った。
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