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借にしおりをはさみました!
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借
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静がフロントに言うてくれて、ツッカケを借りられた。
不便なんは、今だけやから、別にこのままでええって、オレは言うたのに
買い物モードになってしもた静は、百貨店の靴売り場へ突撃するなり、オレの足に合いそうな革靴を片っ端から並べ始めた。
「どれでもいい。気になったものから履いてみろ。」
―は?
いやいやいや!!
―どれでもって、軽く言うけどなぁ。
アレもコレも、有名ブランドもんで
オレが普段はいてる靴の値段より、明らかに0が1個多いやつばっかりやないか?
「い、いや。オレ、靴下はいてきてへんし…。」
なんて尻込みしとったら。
上着のポケットから、サッと黒い靴下が出てきて、ちょっとビビった。
―おまえはドラ○もんか!?
ってことは、オレは
のび○くん!?
ダメダメで、おっちょこちょいで、すぐに泣いたり喚いたり…。
―ああ。
なんや、全く否定出来へんような気がしてきた…。
受け取った靴下をはくべく、椅子に腰掛けはしたものの、ガックリ項垂れて動かんオレの前へきた静が、片膝を床についた。
―ええぇっ?
流れるような手付きで、キレイな茶色の靴が履かされた。
「どうだ?」
「ん?」
どう、って言われてもやな…
「ピッタリや。」
それ以外、オレに言えることは何も無かった。
―てゆうか。
何かこのシュチュエーションて、…ちょっと照れくさ、ないか?
いっつも、オレより高い位置にある静の頭が低いし。密かに、皆の注目浴びてるし。
一瞬、どんな顔したら、ええんかわからんなった。
「では、コレで。」
「ちょっ!…えっ?待、」
静はサッと会計を済ませて、先にいってまうし。
心得顔の店員さんが、オレがはいてきたツッカケを袋へ入れて渡してくれたから
何となく頭を下げて
それから、全力で静を追っ掛けた。
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