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癒
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背中から伝わる、静の体温と、パコラバンヌの仄かな匂い。
「和泉。」
そんな風に耳元で優しく呼ばれながら、包みこむように、ギュッと抱き締められたらもう…。
波立っとった気持ちは、呆気ないくらい簡単に鎮まってしもて。
拗ねたフリするだけで、精一杯やった。
「…腹、へった。」
ちっちゃく呟いたら
掠れたような、変な声が出てビックリした。
「その前に、何か飲んだ方が良さそうだ。」
ゆっくり立ち上がった静が、お茶を淹れてきてくれた。
「ぁ。…ありがと。」
―不思議やな。
なんでコーヒーやなくて、お茶が欲しいって分かったんやろ…?
一口啜ってから、チラッと背中を見たつもりが、ガッツリ目と目が合うて
キスされた。
「ん。」
―あ。
このままやったら、ヤバい。
逃げた舌先が、捕まりそうになって、慌てた瞬間
―えっ?
唇が離された。
「まず、靴だな。」
床に転がったオレの靴は、まだ充分、池の水を含んだままやった。
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