アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
にしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
-
アラームを止めて様子を見に行くと目が覚めていた
まだぼんやりしているが仕方が無いだろう
知りたかった瞳は暗くどこまでも闇が続いていた
でも、想像以上に綺麗な顔だった
敵対心も無さそうだし、まずは安心だな
しかし生きる希望は無さそうだ
生きても死んでもいいような表情
でもこのまま死なれても困る
俺はあの命を救いたい・・・そう思ってしまった
「楓か・・・」
動けないくせに出て行くとはね
やはりなつかない猫だったらしい
「・・・・・・・・ニヤー」
可愛い・・・
なつかなくても可愛い
平静を保ちながら内心は頭を撫でたくて仕方が無かった
話し方もタイプだ
タイプ?それもおかしな話だよな
部屋で仕事をしながら時計を見つめた
そろそろ点滴が切れる時間だ
新しい点滴を持って部屋に入ると眠っていた
彼は今までどんな人生を歩んできたのだろう
決していい人生では無かったはず
「・・・・・・・・・・・・」
目が覚めた
「点滴を取り替える」
「俺はその液体で生かされてるの?」
「抜くとまた刺すぞ」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「点滴の針は予想以上に長いから抜く時もすごく痛いけどな」
・・・と嘘をついた
「長いってどれくらい?」
「すごくだ」
「・・・・・・・・・・・・・」
「とにかく、大人しくしていろ・・・そうすれば出て行けるだろ?」
「・・・・・・・・・・・そうして欲しいのがみえみえだね」
「楓の目は少しおかしいな」
「俺の視力は無限だけど」
「なら曇っているのか」
「はっきり見えるけど」
「心の問題だ、それに出て行けとは一言も言っていないしどうしてそう言う考えになるんだ?」
「俺はいつも邪魔者だったし」
「お前の過去は知らないが、私は邪魔だとは思っていない」
「・・・・・・・・・・・・・」
「私がそんな事を言うような人間に見えるのなら仕方が無いが」
「見えないかな・・・むしろイケメンの獣医さん」
「それはどうも」
「動けるようになったらやらせてあげる」
「そう言う事をまた言ったら本当に追い出すぞ」
「でも、ずっとそうして来たし」
「ずっと?」
「うん、昔バンドを組んでいた時もメンバーにやられてたし一緒に住んでいた奴にもやられてた」
「お前は拒まなかったのか?」
「拒むのも面倒臭いと思えてしまったから」
「自分を大切にする事も忘れていたらしいな」
「別に俺は男だし無くすものはない」
「無くすものが無くても心が荒むだろ」
「慣れ・・・かな」
「成程・・・」
「最初は嫌だったよ・・・犯された感じだったしね・・・でも毎回だとさすがにさ」
「それでもバンドを?」
「続けたいと思っていた・・・でも無理だと感じたからやめた・・・でも今度は同居人の連れに何度もやられた・・・仕方ないよね、住まわせてもらってたんだし」
「と言う事はお前の努力も無駄だった訳か」
「そうかもね、ホント馬鹿みたい」
「怪我が治ったらどうするつもりだ」
「どうかな・・・また適当に生きるだけかも」
「お前には何か大切なものが必要だな」
「そんなものは無いよ」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
完全に心を閉ざしている
話はするが心が見えない
そしてなにより、自分を大切にしようとは思っていない
困ったものだな
しかも話を聞いて少しイラついた自分に気が付いた
やらせてあげる・・・か
心が無い人形を抱く趣味は無い
まぁ、気長に付き合うしかないな
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
4 / 11