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個人的な感情・2にしおりをはさみました!
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個人的な感情・2
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「初めてお会いした時から。
ずっと貴方の事を想っていました」
真剣そのものな夏目さんからのいきなりな告白に僕は固まり、徐々に顔に熱が集まる。
えっと、これは・・・本当に?
で、でも、あの時以上に本気な感じだし・・・。
「だ、ダウト?」
「本当です」
無理矢理リアクションをとった僕に、
夏目さんは瞬時にツッコミを入れる。
さすが・・・って、いやいや!そうじゃなくって!
「だ、だって出会って1週間も経ってないし・・・。
前にバイトで似たような事した時に見抜けって・・・」
「今の私を見て、冗談で言っているように見えますか?それと、優樹さんは覚えておられない様ですが・・・カフェで会うよりも前にお会いした事がありますよ」
「えっ!?いつですか!?」
ごめん。全く記憶にないんだけど。
男の僕から見てもこんなに目を引く人と会ったら
忘れないと思うんだけどなぁ。
「・・・自力で思い出してください」
夏目さんは溜息混じりに僕に言い放つ。
「ええっ!?そこまで言ったなら教えてくれてもいいじゃないですか!」
ケチいな。
教えて減るもんじゃないじゃん。
「教えたら余計に貴方の気分が悪くなるだけだと思うので。男にこんな風に思われて・・・普通、気持ち悪いでしょう?」
「・・・・・・・・・」
あれ?と僕は首を傾げる。
驚いたけど、気持ち悪いとは・・・。
まさか・・・いやいやいや!
それはない!そんな事はない!
「絶対ない・・・!そんなの嫌だ・・・!」
「・・・ですよね。不愉快な思いをさせてしまってすみません。もう顔も見たく・・・」
「え!?あ、いや、違います!」
「?・・・でも、先ほど嫌とおっしゃっていたではありませんか。」
「夏目さんの事じゃないです!」
夏目さんはなんなんだコイツと顔をしかめる。
「じゃあ、何なんですか?」
「それは、その・・・認めたくないんですけど、すごく嫌なんですけど。その、慣れてしまってるみたいなんです」
「主語を言ってください。主語を」
僕は目をそらして、なるべく冷静に言う。
「その、男性からの、告白に。慣れてしまってるみたいです。」
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・は?」
夏目さんの顔が一気に険しく、
声のトーンも一オクターブぐらい低くなった。
な、なんで怒ってんの?
「僕、女顔だし、ちっちゃいからよく勘違いされてたんですよ。それで女だと思い込んでた人によく告白されてて。だから、多分耐性っていうか免疫がついてしまったのかもしれないです。
だから今さら男性からの告白については驚きますけど、気持ち悪いとは感じてませんよ」
よくよく思い出してみたら、高校入ってからもう既に10回は・・・あ、あれ??
なんで夏目さんの顔がさらに険しくなってんの?
気持ち悪いとかそんな思ってないし、
大丈夫って言ってるに。
僕は俯いた夏目さんの顔を恐る恐る覗き込む。
「な、夏目さん?」
「・・・そうですか。私と同じ事を言った方が既に何人もいらっしゃるのですね。でしたら私の事なんて・・・。ふふっ、そうですか。
・・・予想してたとはいえ、いざ本人の口から忘れたと聞くと・・・やはり辛いですね」
ん?なんか最後の方が聞き取れなかったんだけど。
「あ、あのー、夏目さん?大丈夫で・・・えっ?」
夏目さんはいきなり僕を抱きしめて、
耳元に唇が触れそうな距離で囁く。
「ふふっ。それを聞くと嫌でも私の事は忘れられないようにしたくなりますね。さてと・・・」
「な、夏目さん?」
僕は横目で夏目さんを見る。
そして、ゾクリとした。
「さて、どうやって貴方に私を刻もうか・・・?」
甘くて怪しい笑みを浮かべていた夏目さんの目は、
獲物を狙うかの様にギラリと光って見えた。
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