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恐怖(*)にしおりをはさみました!
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恐怖(*)
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先輩の荒い息遣いが響く。
先輩の顔は真っ青で、体も心なしか、震えているようだ。
ーーピーンポーン、ピーンポーン、ピーンポーン…
電子音がなり続ける。
音が響くたびに先輩の体はビクリと震える。
「……っ」
気がつくと先輩の体を抱きしめていた。
すると先輩の腕が、俺の背中にまわり、抱き合うような形になった。
それでも震えは止まらない。
なんなんだ、先輩の兄だという新樹という男。
ーーピーンポーン
その音を境に電子音は、止んだ。
ーーガチャ、ガチャガチャガチャ…ドンドンドン
ドアノブをまわす音と、ドアを叩く音が響いた。
「やだ……怖い……」
俺にしがみつく力が強くなる。
「大丈夫だよ…俺が、守るから」
小声でそう囁くと、涙目になった先輩は俺の顔を見つめた後、頷き、俺の胸元に顔をうずめた。
「守ってくれ…」
「ハルー? いるんだろ? 早く出てこいよ…じゃないと、次、会ったとき、何するかわからねぇぜ?」
「いや、許して…やだ……」
ドアの向こうから響いてきた声。
先輩はゆるゆると俺の胸から顔を上げると、立ち上がろうとした。
まさか、ドアを開けるつもりなのか?
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