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御守りにしおりをはさみました!
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御守り
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影宮視点
((…え、あれ俺いきなり何言ってんだ………?
今、俺を頼れよって言ったか……?!))
無意識で自分が言った言葉に自分で驚く。
今まで誰とも仲良くなろうなんて思わなかった。
頼って欲しいなんて思った事も無かった…のに…。
そう思うようになったのも、あいつの…柳田のおかげかもしれないな。
ーENDー
俺達らは2階から降り、リビングでミケや雪と遊んだ。
遊んでいる時、ふと思いつく。
『あ、影宮くん携帯出して!携帯!LINE交換しよう!
いつでも連絡取り合える様に!あと電話番号も!』
『ああ。』
以前の俺らでは考えられない会話。
『家族以外の電話番号、登録するなんて初めてだ。』
『本当?!じゃあ俺が登録第1号だね!』
俺は自慢げに片手に携帯を握ったまま影宮くんの方にピースサインを見せつける。
影宮くんはそうだな、と言うとフッと笑った。
((あ…………笑った………)
『影宮くんはやっぱり笑ってる方がいいよ、』
俺は微笑む。
『何だそれ。まぁ、友達ってのも悪くねぇかもな』
少しだが笑顔を俺の前で見せてくれる様になった影宮くん。その事だけで嬉しさが溢れてくる。
『これからゆっくり慣れていこうな、2人で一緒に。
友達何ですぐ出来るよ、俺と一緒に頑張ろうな!
あっ。そうだっ、影宮くん。コレ。』
俺はおもむろにバッグから取り出したモノを差し出す。
『……リストバンド………?』
赤いリストバンド。
『それ、俺が部活でバスケしてる時に付けてるリストバンド。ちょっと手、出して? これを………』
影宮くんの手首から包帯をそっと取ると赤いリストバンドを包帯の代わりに手首にはめる。
『はい!これでよし!』
驚いている影宮くん。
『包帯巻いてるより、これ付けてる方がいいよ!
だから俺ので申し訳ないんだけどあげる!御守り代わりに付けてやって』
『でも部活で使ってるんだろ?』
『うん、でも大丈夫!俺はまた新しいの買うから!』
『そ、そっか……。ありがとな。大切にする』
外を見るともう夕日は沈んでいた。
『今日はありがとう。暗くなったしそろそろ帰るね。
また明日学校でね!』
影宮くんにそう言うと玄関を出て帰ろうとする。
すると後ろから肩を掴まれた。
((……ん?どした………?))
後ろを振り向くと影宮くんは、俺の肩に手を置いたまま下を向いてプルプル震えていた。
『か、影宮くん…?どしたの…?』
『………お前がいてくれて……よ、良かった…。ありがとな……。』
『………………………………?!ちょ、影m…』
俺が名前を呼び終える前に玄関のドアを勢いよく閉められた。
『影宮くん?!ちょっとーーー?!』
『そ、それだけ言いたかっただけだからっ!じゃあな!』
((影宮くんって照れると顔、真っ赤になるんだよな…。
たぶん今も顔赤かったはず……。
はあ゛ぁぁぁ、見たかったぁぁぁ……))
ひたすら後悔。
時間は、もう7:00を過ぎていた。
『っよーーーし、帰りますか!』
俺は嬉しくて仕方ないこの気持ちを沈める為に走って帰る事に。登録した影宮くんの電話番号を眺めながら
笑みを浮かべる。
たぶん今の俺の顔はすごくニヤニヤしていてキモイ。
クラスの女子が見たら引かれるレベルだろう。
昼間、晴れていた空にはいくつもの星が瞬いている。
大きな三日月も出ていた。
静まり返った玄関に鈴虫の鳴き声が響いて美しいメロディを奏でていた。
━━━━高校1度目の夏が来る━━━
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