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最終日
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その後、影宮くんがみんなの事を起こす為にリビングを出ていく。
((か…影宮くん昨日の事、気にしてないって言ってたけどどーなんだろ…俺の前だから気使ってくれただけなんじゃないか…?
モヤモヤと、その場に立ち尽くして考え込んでいると2階からみんなが降りてくる足音が聞こえた。
『海翔おはようさん!!』『おはようさんどす』『おはよーーーーッス!』『おはよ』
((朝からみんな元気だなー、今日で3連休最後になるから気合い入ってるのかな?))
『おはよう、もうご飯の支度出来てるから早く食っちゃお?雪とミケがお腹空いた、ってすげー鳴いてるから』
『そーなのか!!せやったら早よ食わなあかんやん!俺もペコペコやしな、行こ行こ!』
さすが駆……食い物の話になると反応が人一倍早いな…。
そして俺達と雪&ミケの2匹は朝ご飯を、わいわい済ませた。その後、部屋に戻り勉強会の準備をしていく。
『ほな、注ーー目ーー。これが今日の課題や』
そう言って京祐がルーズリーフを机の上に置いた。
【3日目、それぞれの課題教科】
・海翔 →蓮(数学)
・柚樹 →陸人(英語)
・駆 →京佑(科学、英語、国語、地理、数学)
『……え?ちょ、あれ?ちょっと待ってーな、……え。俺だけ今日の課題、全教科になっとる気がするんやけど…気のせいなろかぁ…?』
『気のせいちゃうわ。お前、昨日の分の課題ほっぽらかして出て行ったんやから昨日の分の課題も今日の分にプラスされる事ぐらい当たり前や。今日は俺が1日中、隣でみっちり教えたるさかい、覚悟しぃや。
時間ないんやから、さっさと始めるで。…………わッ、わからんトコあったら俺にキイテモ エエカラナ……』
…………………ッカターーーン………………
駆が持っていたシャーペンを机の上に落として数秒間、唖然としていたが、はっと我に返った。
『……ッはぁっ?!なんで今日優しいん?!そんな事、今まで言うた事無かったやん!なんなん?!なんでなん?何か企んどんのか??』
横に座っている京佑から、ものすごいスピードで後ろに後ずさった。その顔は真っ青だった。
余程いつもと違う京佑の様子に驚いたのだろう。驚きを隠せないのかアタフタしている。
その場にいた全員も同じ様に目を丸くしていた。もちろん俺も驚いた……。
『ッお、お前が言ったんやろッ……や、優しくしてくれ、て…』
どうやら京佑は昨日、駆が言った《厳しい》という言葉を気にしていたのかもしれない。少しでも駆が勉強をしやすい様に、と京祐なりに考えたのだろう。
『お……おう、そか。よろしゅう…』
駆が京佑の元へと、そっと移動するとストン、と静かに隣へ座った。
『ほんなら2時間ずつ勉強。そんで15分の休憩時間を挟んでまた勉強、ってな感じで今日の分の課題終わらせるで。
特に駆。』
『あ、…………はい……。』
それから俺達は1日中、集中し勉強をコツコツと進めていった。
駆は京佑の気遣いのおかげで、わからない問題があれば質問できる様になりテストの予想問題のプリントも少しずつだが解けるようになっていき、京佑も駆が解いた問題が正解だと駆の頭を1回撫でるようになった。
この《正解ごとに頭を撫でる》というのは柚樹の案らしい。いわば、駆へのご褒美という感じで。
駆は最初なんや気持ち悪い!、と嫌がっていたが正解の度に優しく撫でられるので、まんざらでもない顔になっていった。
柚樹は自分の苦手な教科の問題の解き方をマスターしたらしく陸人の出した問題は、ほぼパーフェクトでクリアしていた。
俺も数学の問題を解くための公式の使い方を覚え、出来るようになりつつあった。
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