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18歳以上ですか?
13にしおりをはさみました!
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13
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「ど、どうしてって……」
(どうしよう、木下さんを怒らせた。……って怒って当然だ。もう何の関係もないのに、こんなくだらない事に付き合わせて……何て謝ったら…)
「しばらく誤解させておけば諦めさせる事だって出来たじゃないですか」
何と弁解したら良いのかと言葉を詰まらせていたら、切羽詰まったような彼の言葉が耳に入ってきた。
「え……」
顔を上げると、木下さんは余裕のない苦しそうな顔をしてこちらを見ている。
「そんな事実、今は聞きたくありませんでした」
(あぁ、またやってしまった。俺はこの人を傷付けてばかりいる。独りよがりで、こちらの都合ばかり押し付けて……。もう、関わらない方が良いのかもしれない。)
「すみませ…」
深く頭を下げた時、何か強い力で引っぱられる。
(――えっ?)
その瞬間、全身を温かいもので包まれた。
「その上、可愛いところばかり見せるなんて……柘植さん、残酷ですよ。望みはないと分かっているのに、諦めないといけないのに、そんな風にされたら、ますます好きになってしまうじゃないですか……」
瞬く間に彼の懐深くに誘われ
強く抱き締められて
甘く囁くような叱責を受けていた。
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