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「泣けない訳じゃ…」
「じゃぁ、アーネストの前では泣くの?」
少し考えた後にルイスくんは首を振る
「なっ涙が出なくて…」
「涙?」
「泣いたら…楽になっちゃうから…」
何かを抱えて生きている
それは、ヴァンパイアも人間も同じで
「僕が泣いたら…僕は楽になるでしょうけど…アーネストさんとか、周りの皆さんに…その…迷惑をかけちゃうと…思って…」
アーネストは意外と泣き虫だ
俺の前で何度も涙を流した
それは、ルイスくんが来てからも変わらずで
「アイツは…迷惑かけられたいと思ってるんじゃないか?」
「…それ…前も言ってましたよね…」
ルイスくんが家に帰ると行った時に同じ言葉を言った
まぁ、誰だってそうなんじゃないだろうか
好きな奴に大切だと思う奴に心を許してほしい
迷惑だってかけられても、それが想われている証拠でもある
俺がだから、確証を持って言える事ではないが、アーネストだってそう思っている…はずだ
「…もともと…アーネストは寂しい奴だったんだよ」
「アーネストさんが…?」
「あぁ、ヴァンパイアにはさ生みの親っていうのがいないわけ。いつのまにか成長が止まっていつのまにか何百年も生きてんの。俺とか、能天気な奴はそれが普通だしなんとも思わないんだけど、アーネストは繊細な奴でさ、いつも寂しがってたんだ」
「…僕には、親がいます…でも…アーネストさんには…いない…」
何を考えているのかはわからないが、ルイスくんは一人でにつぶやき、眉を下げた
てか、いたんだな
ルイスくんの親
「だから、生贄制度なんてもんが出来たんだよ。ヴァンパイアの世界に規律が生まれてアイツにも幾分か住みやすいとこになったんじゃねーかなぁ」
「生贄…アーネストさんは…何人の人の血を吸ったんでしょう」
「そりゃぁ…何百人とかだろうなぁ」
悲しそうな顔をするルイスくんには酷な話かもな
でも、仕方がない
たかが人間にアーネストの過去はどうしようもないんだ
「僕…アーネストさんに“愛してる”って言われたんです…アーネストさんは…今までの生贄の人にも言ってきたのでしょうか…」
「さぁな」
ルイスくんの知らない、アーネスト
それは、この子にとってどんな風に写ってるのだろう
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