アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
まりあちゃん10 (杉山side)にしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
まりあちゃん10 (杉山side)
-
……引き止められなかった。
みなちゃんと
乗る予定だった観覧車も
彼女が連れていかれちゃった今、
なんの価値もないような気がして諦めた。
少し離れたベンチに座って
ぼーっと観覧車を眺めていると、
ゆっくりと近づいてきた
まりあに肩に手を置かれた。
「お互い引き止められなかったわね」
走ってくるわけでもなく、
ゆっくりと近づいてきて
俺が追いかける暇も与えないで
どこかへ行ってしまった。
その状況が自然な流れすぎて
頭がぼーっとしたまま、
ただその光景を眺めていただけの俺。
「別にいいわ、まだ機会あるし
今日のところはまあまあ上手くいったから」
帰りの連絡を受けたのか、
スマホを見つめてそんなことを言う。
あんな2人だけの世界を見せられても
まだ諦めようとはしないまりあには
強いな〜と思ったり。
「またの機会ってまたなんかするのかよ」
まりあが小悪魔な笑みを浮かべながら
ウィンクして言った。
「まぁそうは言ってもするのは
あなただけどね」
そんな答えに
俺はクエスチョンマークを浮かべるが、
まぁいいさ。
俺はただ単にみなちゃんと仲良くなって
みなちゃんが幸せなら別になんでも。
そう思いながら
一応、まりあも黙っていればかわいい女だから
家まで送ってあげることにする。
「ありがと」
まりあの家は、なかなか大きな家だった。
そういえば、噂でどこかの社長の一人娘と
聞いたことがある。
この辺は、
金持ちの家で埋め尽くされているし
まりあにとっては
大したことの無いことなのかもしれない。
「じゃぁ、またね」
今まで接点もなかった俺ら。
そんな挨拶まで交わすようになったのか。
1つの接点だけで
カップルみたいに装って
送ってあげたり
またねなんて挨拶したり
なんか不思議だ。
彼女の後ろ姿を見送りながら
そんなことを考えていた。
それに、
手に入れたいものの為なら
なんでもするまりあだけど、
それ以外は普通の女の子で
外見は可愛いし、
運動神経もまあまあで
頭も悪くは無い。
傍からみたら
見送ってる俺と見送られているまりあは
カップルに見えたりするのだろうか。
お互い
別になんとも思ってないけど
それもそれで困るなぁ
なんて思いながら
俺も帰路に着いたのだった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
76 / 83