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「………ん……。」
ここは何処だ?見慣れない天井。嗅ぎなれない匂い。頭がぼーっとする。
そういえば俺、さっきまで大学の中庭に居なかったか?飲み物買いに行って、きつくて、眩暈もして、休憩してて、それで………。
…思い出した。この天井は一度だけ見たことがあること。それから、休憩していた時にヨウが話しかけてきたこと。
俺、気失ったのか。貧弱野郎かよ、情けねぇ……。
ヨウに助けられたことを察して、一人落ち込む。ずっと避けてたのに、これじゃ本当に恰好がつかない。ダサい。
……あ、そういえばヨウは何処にいるんだ?今顔を合わせるのはとても気まずい。さすがに礼も言わずに帰る、なんてことはしないが、心の準備ができるまで待ってほしい。
と思っていると、ベッドの横に椅子に座って、ベッドに前のめりになって寝ているヨウを発見した。ずっと見ててくれたのか……。
嬉しさと申し訳なさが交差する。
やっぱりヨウは優しい。
出会い方はムチャクチャで、その後も強引で自分勝手なくせに、ふとしたところでこう、優しさを見せられると、気になってしまうのは仕方がないと思う。
いいや、もう気になっているどころではない。好きだ。好き。ヨウのことが好き。
こうやって、ヨウの寝顔をじっくりと見るのは初めてだ。ホテルの時は、腰の痛みでそれどころじゃなかったし。
体を起こして観察する。
肌、キレーだな…。毛穴なんてあるの?と言いたくなる。筋の通った鼻に、薄い唇。俺、この唇と何回もキスしてるんだよな…。
つい人差し指でヨウの唇をなぞってしまう。薄いのに、柔らかい。不思議だ。
睫毛がびっしり生えた瞼は閉じられていて、俺の気に入っている瞳が見えない。少し残念。
この前俺が口付けたところを撫でてみる。なんで、あんなこと出来たんだろう。
そういえば、ヨウってピアス開けてんだよな。控えめに、両耳一つずつ耳たぶで光る黒い石。黒って、ヨウにすごく似合う。
今度は耳の淵をなぞっていく。まるでその形を覚えるように。
………好きだなぁ………………。
「?!」
耳を触っていた手をガシっと掴まれた。まさか起きてた?!だとしたら俺、相当恥ずかしいことしたぞ…。
しかしヨウの目は開かれていない。とりあえず安心する。とにかく、手首に張り付いた腕を剥がさなくては。
なるべく触れないように、起こさないように指を一本一本外していく。……ヨウって、手も綺麗だな。
男らしく骨ばったそれは大きくて、指も長い。爪の形まで整っていて、少し憎らしいくらいだ。俺、この手に服を脱がされて、身体を触られて、イかされて……。はっ。違う違う。早くヨウの手をどかさないと。いつ起きるか分からないからな。
中指まで外していたので、薬指にそっと触れた。
「えっ」
少しだけ手に力を入れて、薬指も外そうとすると、もう一度グッっと手首を握りこまれた。最初からやり直しじゃねーか!
なんだかやり込んだゲームのデータが飛んでしまった時のような気分だ。
もう一度親指に指を掛ける。
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