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18話にしおりをはさみました!
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18話
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ガラッ
「蒼!」
「直!?お前、授業は…」
駆け込むように入ってきたのは中学の頃からの親友、遠道直(エンドウ ナオ)。
俺とは違って普通に授業にも出てる。
「バカ、今休み時間だっつーの」
「あ…そうだっけ?」
なんか…頭働かねーな…
「あ、会長!会長が蒼を運んでくれたのか?」
「まぁね。いくら学校きっての不良だとしても倒れてたら助けるのは当たり前だし」
会長の言葉に心臓がズキッと痛む。
マジで俺…今日どうしたんだ…?
「…う、蒼!」
「わっ!?…急に話しかけてくんなよ…」
「あ、それここまで運んでやった奴に言うセリフかよ?」
「う…わ、悪い…」
やっぱりコイツ…性格めっちゃ悪いじゃん…‼
「遠道君は教室に戻ってていいよ。俺は蒼を連れて帰るから」
「は!?」
声を上げたのは直ではなく俺。
"連れて帰る"って…何言ってんだよ!!
「お前、道知らねーだろ!いや、そうでなくてもお前に送られるなんて絶対にごめんだ!」
「ん、じゃあ会長、後は任せた!」
「了解!」
本人抜きにして勝手に話進めてんじゃねーよ…
直が出ていくと、一気に意地の悪そうな表情に変わる。
「…さて、蒼?」
「う"…」
少し後ずさろうとすると、急に会長に抱きしめられる。
「な、何してんだよ!」
「良かった…蒼が倒れてるのを見た時、本気で焦った…」
「何、言って…」
切なそうな会長の声に胸が震える。
こんな感覚、初めてだ。
胸が痛い、苦しい、切ない。
会長にキスされてからずっとこうだ。
「さ、行くか?」
「ぁ…」
スッと手を差し出され、少しぎこちなくそれを握ると会長に抱き寄せられる。
「こんな状況で…ごめん。でも言わせて欲しい。蒼が好きだ。今日蒼が泣いてるのを見て思った。蒼を離したくないって」
泣いてた…?俺が…?
「東蒼さん、俺と付き合ってくれませんか」
「ぎ、疑問符付けねぇのかよ…」
顔に熱が溜まるのがわかる。
こんな体験、したことないからわからないけど…
これは多分、会長と同じ気持ちなんだと思う。
「俺は…お前のことなんて好きになるつもりはなかったんだからな…」
会長はまたフワッと笑うと
「今はそれでもいいよ。いつかちゃんと"好き"って言ってくれるまで待ってる」
と言ってくれた。
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