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もやもや
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「……むかむか、した。もやもや、した。そーゆー場面見て、俺すっげー嫌になって……ハルが告白断ってなんでか分かんねぇけどっ、安心して…」
それから、ずっと聞きたかったこと。
「なんでハルは俺にキスとか、すんの……?」
ハルの手が頬に触れて、ふっと目を細めて微笑んだ。
「イオが自覚したら教えてあげる」
それからおでこにちゅ、とキスを落とされた。優しくてじんわり暖かいキス。
「自覚……?」
「そ。自覚。なんでもやもやするのか、むかむかするのか、その答えが分かったら俺も言う」
でもそれって、
「理由、分かんねぇままじゃん!」
ちゅ、ちゅ、と今だ俺のあちこちにキスを落とすハルに食い気味でつっこむ。
鎖骨にキスを落としていたハルが顔を上げてふっと笑った。
「知りたいなら早く自覚しなよ、俺もそろそろ我慢出来なさそうだし」
「ん、だから……自覚ってなんだよ」
「自分で見つけなきゃ意味ないものだから」
「意味、分かんねぇ……!」
直接聞けばいいって思ってたのに、聞いてもこうなら俺は一生理由を知れないのだろうか。
「……マジで教える気はねぇの?」
「当たり前」
「1年とか2年とか掛かっても?」
「待ってる」
「……ばっかじゃねーの、」
けど、ハルが待っててくれるならいっかな……なんて俺は思ったりしてる。
「でもすぐ自覚すると思うけど。ていうか、」
手をそっと取られて、薬指にちゅ、とするキスを落とされる。
「俺が自覚させるけど」
「っ……!」
ぎゅん、と締め付けられる胸。なんか分からないけど、ハルの言う通り"自覚"するのはそれほど遠い未来じゃないかもしれない。
なんとなく、何となくだけどそう思った。
「あ、そう言えば飯食べてなくない?」
「あっ」
チャイムが鳴るまであと1分。
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