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ぽろり、落ちて
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にぃと口角を釣り上げて笑みを浮かべる様を指摘すればああつい、とさらに笑みを深くする。
「ほら、まだ残ってるよイオ?」
まだ文句を告げようとして開いていた口にぐっと指を突っ込んでくる。
「っ……」
「ほら、ちゃんと自分で舐めて取ってよ。兄さん」
うっわぁ、ハルちゃんのスイッチ入っちゃった……こうなれば俺はどうすることも出来ない。
とりあえず米粒を探そうと、突っ込まれた指を大人しくれろ……と舐める。
「薬指のとこ、まだ付いてる」
舌で転がした後にぢゅ、と指先を吸ってそれを取る
あらかた取れた……と思えば指はやっと引き抜かれる
「……は、見てこれ。イオの唾液まみれ」
「仕方ねぇ、だろ……」
テラテラ光に反射して光る唾液まみれのハルの指。思わずぷいっと目を逸らす。
水の出る音がしない。まだハルは手を洗ってないのか。ちらりと見ればまじまじと指を見つめていた。
「何しての、早く手洗えよ……」
兄ちゃん恥ずかしいんだけど、そう付け加えて言えばハルは目を細める。
「へぇ、恥ずかしいんだ」
「うっせ……いいから早く洗っ!?」
もう一度ハルの方をちらりと見ると俺の唾液まみれの指を見せつけるように舐めていた。
「おまっ、何やってんの……!?」
「舐めてんの」
「いやなんでだよ!」
「イオの唾液、どんな味かなって」
ぶわっ、顔が熱くなる。いや、いやいやいや……ここ照れるとこじゃねぇだろ。
俺はぶんぶんと首を振って、ハルの腕を掴む。
「唾液なんて美味しくねぇから!腹減っててもそれはやっちゃいけません!」
「意外と美味いかもしれないし」
「やめて!やめろ!頼むから!!つか!!」
ぐっと服の裾を掴んで俺よりも高いハルを必然的に見上げる。
「唾液なら、俺から取ればいいだろ!!」
ハルの指が口から抜かれて、俺は自分の口から出た言葉にハッとして、顔は火がついたように熱くて、とりあえずお前が悪いんだよ水道!!!
なんて、八つ当たりにも程がある俺の心の声に水道が「解せぬ」って言ったような気がした。
「……唾液「忘れろ」」
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