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冬の困ったような、それでいて笑顔が浮かぶ。
…しゃあないわな…。ま、いいか。うん。
「鍵、持ってるぞ。だから 心配するな、冬。」
「あ…良かった…。」
「家にいんだろ?
そうだな、家の方が落ち着くもんな。
大人しく寝とけよ?
って、おふくろさんがいるから心配ねーか。」
「―……はい…。」
…その間は何だ?
その間は!
気になるじゃねーか!!
「…あの…司さん。
僕、おんぶされてからの事が…記憶に無くって…。
その…ごめんなさい。なにか失礼な事…しませんでしたか?」
恐る恐るっていう感じで聞いてくる。
まあ…医者にかかるのやだ!ってごねてたし、薬 飲むのもやだ!って一苦労だったし、泣くし、俺を離さねーし…!
とはさすがに言えねーもんなぁ…。
「ん、別に何にもしてねーよ、冬。
熱 高かったもんな。記憶なくっても無理ない、無理ない。」
「…ごめんなさい…。僕…迷惑ばっかりかけてる…。」
しょんぼりして冬が言う。
「あんなー冬、迷惑なんて思ってねーよ?
俺がしたくてしてる事なんだからな?
とにかく大人しく寝とけ。昨日40度も熱あったくせに…。
なにかあったら、おふくろさんに言うんだぞ?」
「―……はい、司さん…。」
だから!その間は何だよ!うー…。
電話を切って。
…冬…いねーのか…。
帰っても…。
…なんか、
気が抜けた…。
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