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からかい(シローside)
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リンとルイの後を歩く間にも、脳内をあらゆる想像が駆け巡る。
わざわざ呼びつけたのには、それなりの理由があるはずだ。
よい知らせか悪い知らせかと言われれば、圧倒的に後者の可能性が高い。
自分は何か失敗したか?
まさか首を言い渡されるのかと、表には出さないままうろたえた。
その場合、どうやって巻き返しを図ればいいのかと考えるうちに、ここだと重厚な扉の中にうながされた。
「……ルイ、紅茶を頼む」
「くれぐれも処女相手に無体なことは止めてくださいね。どうしてもと言うのなら、後処理はご自身でお願いします」
ギョッとして、ルイを見た。
「嫉妬か?」
リンが楽しそうに笑う。
「何をバカな。あなたの相手をするのも、仕事のうちです。個人的な感情など、あるはずがない」
「そりゃ、いささか寂しいな。あんなに身体の相性はいいのに……な?」
不意に、淫らな空気感が漂う。
夜の帳の向こうを、垣間見せられた気がした。
絡み合う二人の身体を想像しかけて、慌てて首を振る。
片や肩に乗せられた主の手を、ルイがうるさ気に振り払った。
「真昼間から、何を言っているのやら。客人が固まってますよ」
「言い出したのは、おまえの方だろうに。だが、うちの執事は美人だろう? このツンとお高くとまった面で、かわいく啼くんだ。わたしはもう、夢中だよ」
ルイがリンを睨む。
「紅茶を入れてきます!」
もはやつき合い切れないと言いた気に、乱暴に扉を閉めて出て行った。
扉が締まるなり、リンの空気感が一変する。
「さて。少し話をしようか」
「……はい」
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