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密室に二人っきり。―菅原×日向―
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「えっと…… ハハハ、話が続かないな…」
「そ、そう、ですね……」
このぎこちない雰囲気に。
俺もヒナタも会話が続かなくて。
思わず、ため息をついた。
薄暗い倉庫で、ヒナタと二人でいるのは嬉しいハズなのに…。
距離は縮まらなくて、それどころか困らせて…。
理解したのは、ヒナタにとって俺は【部活の先輩】っていう立ち位置。
それ以上、それ以下でもない。
……初めから分かっていたんだ。
ヒナタは全く俺を意識すらしてない、という事も。
それでも。
何か変えたい。
そう思った俺は、少しでもヒナタに意識して欲しくて。
自分の気持ちに素直に行動を移した。
ま、まぁ…。
途中、興奮して暴走したけど…さ。
でも。
……片思いって……ツライな…。
なんて。
女々しい自分に冷笑する。
ホント…ヘタレだな、俺……。
玉砕覚悟で告白したんだ。
……結果、俺の気持ちは受け入れられなくて。
ダメだったんだから。
それなら、いつもの【部活の先輩】らしく、ヒナタに接しなきゃダメじゃないか、俺。
そう心に言い聞かせて拳をギュッと強く握りしめた。
そして、ヒナタに再び視線を戻した。
そのヒナタは、虚ろな顔をしたまま。
ジッと俺を見つめていた。
「……ヒナタ?どうした??」
様子がおかしいヒナタに驚いて声をかける。
「……………………」
何も答えないヒナタが心配になって。
俺は慌ててヒナタに近付いていく。
すると急に弾かれたかのように意識が戻ったヒナタが慌てて俺が近付けないように。
両手で動きを静止した。
「ちっ、近付かないで!!」
必死に両手で俺を近付けないようにする姿に。
俺は…。
胸の奥がズキンとひどく痛んだ。
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