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我慢できない
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「で?着替えがなくて、募金活動もあったから、そのワンピースを着たの?」
「そうなんです。。化粧までされちゃって。。」
雄大は隠れるように帽子を深く被った。
「成康さん、離れて歩いていいですよ。。」
「何で?」
「だって、僕…」
雄大が遠慮気味に歩みを止めると、成康は雄大の手を自分の腕に捕まらせた。
「…あっ…」
「こうやって、俺の腕の後ろに隠れてればいいよ。」
ギュッと喉が苦しくなる。
腕を掴むと成康のちょっとスパイシーな香水の匂いがして、ごくりと唾を飲んだ。
「服を早く買わなきゃね。」
「ですね〜。」
(腕、逞しいな。)
スーツでは細い感じだが、触るとその逞しさに驚く。
(いつだってこの人には驚かされる。)
見上げると鼻筋の通った端整な顔に見惚れてしまう。
「ん?なんか顔についてる?」
「あっ…いえ…あっ!今日、お仕事は?」
「あぁ、今から本社に帰るとこなんだ。今日は見積もり作るのに残業になりそうだったから、途中でここによって雄大君に会っておこうと思って。」
成康が目を細めて雄大を見た。
(嬉しい…)
雄大はギュッと成康の腕を握った。
「ん?」
「嬉しいです。。」
「……。」
「成康さん?」
ジィーと見られ、雄大は目をパチクリさせた。
「あっ、ごめん。ここ、入ろうか?」
「えっ?こんな高いところ?」
成康は雄大の腕を掴み、ずかずかと雄大の入れない、ブランドのお店に入って行った。
「いらっしゃいませ。」
「あっ、これとこれ。試着室借りれる?」
急ぎ足の成康にハイセンスな顎髭の店員が「はっ、はい!」と言って、試着室を開けた。
「ありがとう。あぁ、もういいよ。俺が見立てるから。」
「ごゆっくりどうぞ。」
成康は人払いするように手を振ると店員は一礼して、試着から離れた。
「な、成康さん?」
成康は雄大を試着室に押し込んだ。
「なり…」
試着室に入るなり、成康は雄大の唇を奪った。被っていた麦わら帽子が後ろに落ちた。
「んっ…」
そんなに広くない試着室に大人2人入れば、そこは狭くて雄大は身動きが取れずに鏡にぶつかった。
「口紅、落としてあげるよ。」
そういって成康は雄大の唇を吸いついた。
麻のワンピースだからか、成康の手の感触が、いつもより強く感じる。
「んっ…ん…」
唇を何度も吸っては離し、離しては吸い、身体をさすられた。
「あんっ…」
(やばい!気持ちいぃ。)
成康が雄大の唇を舐めた時、雄大の身体からムクムクと込み上げるものがあった。
「!!?」
「な、成康…さん。。」
「何?」
息を荒くした成康が雄大の耳元に顔を埋めた。
雄大は成康の腕の中でもがいた。
「もう…行かなきゃ。店員さんが…」
「……」
成康はちらりとカーテンの向こうを見た。
「僕も…もう行かなきゃ。」
成康はふっーと息を吐いて、雄大の顔をそろりと撫でた。
「ごめん。我慢できなくて。」
雄大はズキンと胸が痛かった。
(我慢…させてるのかな?)
「これでいい?サイズMで大丈夫?」
成康はいつもの笑顔でさっき取った商品を持ち上げた。
「えっ!そんないいですよ!」
「化粧落とさないといけないよね?雄大君のお店で着替える?」
「…はっ…はい。」
「じゃあ、先に支払っておくよ。」
成康が先に試着室から出て行った。
残された雄大はぼんやりと全身鏡を見た。
ちらりと下腹部に目がいく。
(どうしよう…ちょっとやばいかな?)
フワッとしたワンピース。
雄大は急いで麦わら帽子を拾い、身体の前で握った。
(お店に戻る頃にはおさまるよね。。)
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