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いつもの上村君
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「…さん…つ…」
「…さん、椿さん!」
ハッとして雄大は顔を上げた。
「椿さん?」
3歩の距離に上村がいた。
「ほわったぁーー!」
雄大は驚きのあまり4歩飛び上がった。
「……」
「あっ……」
そのまま2歩戻った。
「ご、ごめん。」
(もう18時…)
ちらりと時計を見ると18時、10分前だった。
(もう来たのか。。)
いつもと変わらない長い睫毛に吊り気味の目、高い鼻が彫りの深さを際立たている。
「…椿さん、聞いてます?」
「あっ…あぁ…」
目が合うとドキッとした。
(大丈夫だ!写真は撮られてない!!)
大きく息を吸い、心を整えた。
「で、何だっけ?」
「……あの…」
「ゆーちゃん!」
上村が一歩近づいた時、西川の声が後ろからした。
振り向くと西川の横に柔らかく目を細めている成康がいた。
「あっ…」
雄大は成康と上村の間で首を振っていた。
するといつものクールな顔のまま上村はヒョイヒュイと手で雄大を払った。
「じゃ、じゃあ後で聞くよ!」
雄大はオドオドと上村から離れた。
「雄大君、これ。洗濯終わったから。LINEしたけど、既読にならないから持ってきちゃった。」
「あっ、すみません。」
(あっ…そう言えば今日は一日中見てないや…)
雄大は頭を下げながら、差し出された白色の紙袋を覗き込んだ。
「ありがとうござ……あの…上しか入ってないんですけど…」
「うん。下は人質だよ。」
「人質!?」
物騒な言葉をニコニコ顔で言われ雄大はしばらくパチクリしていた。
すると成康は雄大の前髪を手でかき上げた。
「また、遊びに来てくださいってこと。」
普段では見ない顔中でにっこり笑う成康は、もしかして自分にしか見せていない顔なのかなと思うとドキドキとする。
「こうでもしないと雄大くんは来てくれなさそうだから。」
ワシワシと頭を撫でられ雄大は赤くなった顔を下に向けた。
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