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にらなわら
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元々細身ではあるが、こんなに小さく、萎んでしまった風船のようで、見ている方が痛々しい。
手首にはくっきりと紫色の痣が巻きついている。
何があったのか、なんとなく検討がつく。
今ある感情は可哀想とか怒りとかよりももっと
自分が何もできない歯がゆさに怒っている。
ハッとすると手首を握っていた雄大が顔を歪めていた。
「あっ、ごめん。痛かった?」
「いえ…」
手を離すと雄大は再び顔を背け、布団を握りしめた。
「……」
身体が冷たい。。
成康が布団から見える細い首に指を当てるとびくりとした。
「…お腹痛い?」
雄大はふるふると頭をふる。
「寒い?」
再び頭をふる。
成康は指を離し、身体を起こした。
「やっぱり黒田さんに来てもらおうか?」
雄大がピクリと反応はしたが、何も言わない。
窓から冷たい風が入り始めた。
成康はため息をついて、立ち上がり、携帯を取り出した。
(俺じゃあ役不足…だよな)
「この前…」
か細い声がして、成康は顔を上げた。
「この前….お、男に…あの…押し倒されて…」
成康は風の入る窓を閉めた。
(予感はしてたけど…)
キツイ。
でもそれ以上にその事を告白する雄大は、布団を被っている姿しか見えないのに震えてるようだった。
「その…あの…性…いや….セッ…」
布団に隠れてるせいか、よく聞き取れない。成康はその場で腕を組んだ。
「レイプされたってこと?」
成康はつい固い声になった。
「手首の痕を見ればわかるよ。それで…困ったってことか…大丈夫、俺が一緒に警察に…」
すると雄大はバッと布団から身体を起こした。
「違う!いや…あの…僕が困ってるってのは…」
雄大の顔が見る見る赤くなっていった。
「…下痢が止まらないし、その…あ、穴が凄く痛くて…とにかくお腹が痛いのは…多分…あの…そういう行為しか心当たりなくて….く、黒田さんは男性との経験もあるから…何か知ってるかと思って…」
小さくなって、俯く雄大に成康はポカンと口を開けていた。
(それって合意のセックスしたって事?)
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