アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
上司と部下と友達の電話
-
「お前、本当に今日、見合いするのか?」
『…はい。だってそれが…』
「そうだよ!上司命令だけどさ…でも今どき上司命令だからって、見合いするかよ。。」
『黒田さんもしようとしたんでしょう?』
「へっ。俺の場合、バツがあるって言っただけで、すぐなリストから外されたよ。でもお前は多分リストのトップにあった名前だぜ。だからゴルフの時、お前の名前は避けてたのにさー。専務かなー?あの人、お前が前の女と別れたの知ってたし。てかお前もさ…」
『…中途半端な気持ちで行ってはないですよ。』
「えっ?」
『だから、中途半端な…』
「違う、違うだろう!自棄っぱちで行ってんだろう!?』
「…はい?」
「加藤、お前さ、俺がお膳立てしてやったにも関わらず、雄大君をポイしただろう?」
『はぁ!?ポイっとかなんですか?その表現!してないですし!』
「いいや!!お前はさ、人の気持ち考えて、最良パターンとして離れたんだとか思ってるだろうけど、違うからな!お前はただのヘタレ野郎だからな!」
『…ヘタレ野郎…かもしれませんこが、それが相手に一番の幸せだと思って…』
「あほか!この言い訳弱虫野郎!」
『なっ!?』
「相手に好きな人ができた、”だろう”から別れる。俺と一緒なっても幸せになれないから。相手は俺よりあいつの方が幸せになれる”だろう”。彼の幸せが一番。……何が”だろう”だ!幸せだ!幸せだから何なんだよ!幸せが全てかよ。幸せなんて、俺にはキャバクラで巨乳の女の子が来た時にだって感じるわ!」
『はぁ!?怒』
「だから、幸せのベクトルは他人が見ても、考えても相手が幸せだって思うもんではないんだよ!俺は幸せよりも、辛い事も悲しい事もあるから人生は面白いんだろう?雄大君はそう思える相手だったんじゃないのか?一緒にいて、心が揺さぶられる相手だったんだろう?」
『……』
「好きなのに諦めたお前にはわかんねぇのかもな。そうやって、逃げて見合いなんぞに走る奴に、好きの感情なんてないのかもな。」
『……黒田さん、何が言いたいんですか?上司として、このお見合いが上手くいけば、あの会社からの受注は100%ですよ?』
「話すり替えんな。まぁお前には野心があって、そこのお嬢さんもらって、社長になりたいとか夢があるんなら、どうぞお好きなように。でも好きな人を諦めきれないけど、諦めたし、上司に言われたからでお見合いするなら、お前とは一生口聞かない。」
『….小学生ですか?』
「あと雄大君がそのあとどんな恋愛するかなー。」
『……手、出さないで下さいよ。』
「はぁっ?お前にそんなこと言う資格ないもん!!バーカ、バーカ!弱虫毛虫!!一生、後悔しゃがれ!」
『黒……』
ピッ
黒田は携帯を切って、ポケットに入れた。
冷たい風が襟元に入ってくる。
「さてと…」
見上げると大きなモールが、鐘の音を立てて、オープンの合図を鳴らした。
「しゃあない。もしもの時は俺も辞表だすか…」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
139 / 147