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「はぁ……。もう、授業始まってるし。面倒だな…。」
ひとしきり満足するところまで叱り終えたらしい黒田先生は、時計を見て、教師らしからぬ言葉を一言。
そんなんで良いのか?と、思いつつ顔を上げる。
すると、隣で優しい目で僕を見る彼と目が合った。
「…?」
何でそんな目で僕を見ているのかわからなくて、首をかしげる。
すると今まで逸らすことなく僕を見ていた目が、パッと逸らされてしまった。
「……ぁ………」
ずきん、と胸が音をたてた。
「天然ほど恐ろしいものはないな。」
何やら電話をかけていたらしい先生が、僕の頭をぽんぽん撫でながら意味不明なことを言った。
「さて。今お前らの担任に連絡したから、とりあえずこの時間が終わるまでここで待機な。」
「帰らなくて良いんだ。」
「お前に授業中に廊下を歩かれる方が迷惑だからな。授業妨害だ。」
まだ痛む胸を押さえながら、仲が良いんだな、とぼうっとした思考で考える。
「――――ねぇ。」
呼びかけられて思考の中に入っていた意識が浮上する。
目線を上げるが、目を逸らされるのが怖くて一谷先輩の顔から右に少しずれた所を見る。
でも、一谷先輩の方が1枚上手だった。
すっと自然な動作で、僕の頬に手を添えて目線を合わせられた。
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