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6.話したくないよ-3
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どうしたら信じて貰えるのだろうか。
もう、無理なのだろうか。
壱成の反応が怖かった。
「ユキジ……」
「でも……僕が……僕が悪いんだ。壱成との関係に気付かれて……っ。守る術がそれしかなくて……」
自分はどうなってもいいと思っていた。
心以外ならなんでも差し出せる。そう思っていた。でも、身体を差し出す覚悟なんて最初からなかった。
壱成以外なんて、死んでも嫌だ。
「ごめんなさい……っ」
ユキジは壱成の袖にしがみ付き、頭を下げる。
謝って済む事ではないと分かっている。壱成に隠し、自分でなんとかしようと思った自分が悪い。
その結果。壱成に迷惑を掛けた。
仕事場をあんな風に嫌な空気にさせてしまった。
そんな事、させたくは無かったのに……。
「ごめ……」
「ユキジ……」
「ンッ……」
突然のキスだった。
本当に突然だった。だから、半開きの隙間から、壱成の舌が侵入しても身体がビクッと動く事もしなかった。
「ンッ……チュッ……ぁ……ん」
壱成の舌がユキジの舌に絡み付く。
久しぶりの壱成とのキス。そのキスは甘く、ユキジを夢中にさせた。
「チュッ……ちゅぅ……ンッ……ハァ……くちゅ……」
ユキジは夢中になって壱成の舌を追った。引っ込められたと思ったらそれを追い、舌先を差し出すとそれを壱成が這わせてくれる。
その行為に、ユキジは涙が出るほど嬉しくなった。
「ンッ……はぁ……ユキジ……」
「ハァ……ハァ……ンッ」
唇が離れると、ユキジはトロンッとした眼差しで壱成を見詰めた。
腰砕けとはこの事だろう。身体には力が入らず、壱成の身体に身を委ねるしかなかった。
その身体を、壱成が優しく受け止めてくれる。
そして、また優しく頭を撫でてくれた。
「気付いてやれなくてごめんな……」
「っ……そ……んな……」
「彼氏失格だな……」
そう言って、壱成はユキジの身体を優しく抱き締めると、ラウルに付けられた痕を消すように、その部分に唇を寄せた。
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