アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
5.好きな人とのキス-6
-
祝は、先に出会っても後に出会っても秋幸を選んだと思う。
順番なんて関係なく、この二人は惹かれるべき運命だったのだ。
それが、見ていて分かる。
「カット! いいよいいよ三人とも! 良い演技だ!」
長いワンシーンを撮り終わり、それが良い形となって喜びを見せている横屋は、上機嫌だった。
ユキジは、秋幸の肩を優しく抱いている祝が目に入り、幸せそうな、相手を愛していると言っている顔を向けていた
でも、前みたいに傷付いたりはしない。なんだか、吹っ切れたような気分だ。
好きな人とのキスだったはずなのに、印象が薄い。
「あんなキス……するから……」
それが何故なのか、ユキジには分かっていた。
壱成があんなキスを急にするからだ。今まで見た事がない顔。もっと、見たい顔。
その時、ユキジは壱成の存在がいつの間にか自分の中で濃い物になっている事に気付く。
でも、鈍感なユキジはそれが何故なのかは分からない。まだ、分からない。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
38 / 137