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3.思い掛けない存在-6
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ユキジはその男の事を思い出そうとするが出て来ない。
男の長身な体躯や金髪なんて一度見たら忘れないだろう。それに、あの目。自分と同じ色したあのサファイア色の目を忘れるわけがない。
外国人なら金髪で青色の目なんて普通にいるだろう。でも、道端ですれ違う同じような外国人とは違う。
それは、顔立ちが整っているからとかではない。あの目が、他とは違うのだ。
「誰なんだろう……あの人……」
ユキジは男の背中を見ながらそう呟く。でも、その答えは直ぐに分かった。でもそれは、触りでしかなかった。
「顔合わせ始めます。よろしくお願いします」
その男と出会ってから1時間後に、メインキャストとの合同初顔合わせが始まった。
男はヒロインの隣に座っていてユキジは驚く。そして、知る。男が外人の留学生役だと。
「ハジメマシテ、ラウルです。日本語大丈夫です。ヨロシク」
そう言ってニコッと笑い、頭を下げるラウルと言う男。周りはその整った顔立ちに頬を染め、原作にピッタリと言っていた。
「僕が友人に頼んで息子さんを借りたんだ。カッコいいだろー。まだ、日本じゃ無名だけど、あっちでは有名なモデル君なんだよ。それに、原作にピッタリでしょー。当たりそうでしょー」
その言葉に、クスクスと笑う周りの共演者達。でも、ユキジと壱成だけは笑えなかった。
この男と撮影中にユキジは色々としなければならないのだ。壱成も気が気じゃないらしい。
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